「未経験で事務職に応募する際、職務経歴書はどう書くのが正解?」
「未経験者は、何をアピールすれば採用される?」
この記事では上記のような疑問について、職務経歴書の見本を紹介しながら、徹底解説します。
未経験で事務職へ応募する際に選ぶべき職務経歴書とは
まず、職務経歴書とは、企業の求める人材にマッチしたスキルや経歴を持っていることをアピールする書類のことをいいます。
職務経歴書には、以下の三種類のフォーマットがあります。
①編年体形式・・・時系列に沿って職歴を記載
②逆編年体形式・・・最新の職務経験から記載
③キャリア形式・・・過去の経験を職務内容別にまとめて記載
これらは、企業にアピールしたいことや、応募する職種によって使い分けることができます。
この三種類の形式の中で、未経験職に応募する際に最も適切なのは編年体形式です。
それは、未経験職に応募する際、前職の業務をアピールする必要性が低いためです。
未経験から事務職に応募する際は、前職の業務内容よりもスキルや適性が求められる傾向にあります。
【職務経歴書】未経験で事務職に応募する際に参考になる見本
未経験で事務職に応募する際の職務経歴書は、職歴よりも自己PRを主張できるものを用意するといいでしょう。それは、職歴について詳しく説明するよりも、仕事に対する熱意や、適性をアピールする方が有効であるためです。
また、事務職ではパソコンのスキルが求められます。
ですので、職務経歴書のフォーマットをパソコンで作成することをおすすめします。
それにより、一定程度のパソコンスキルがあることをアピールできるためです。
それでは、以下の見本を参考に作成してみてください。
見本➀「正社員」→「正社員」の転職の場合
職務経歴書
日付&氏名
【職務要約】
-入社してから現在までの業務内容・成果の要約
自社で開発した美容液の販売を担当し、新規顧客の獲得に努めました。顧客のニーズを把握し、それに応じて適切な商品を提案しました。チームとして設定された売り上げ目標を達成し、会社に貢献してきました。また、トレンドを追うことを忘れずに、常に顧客のペルソナ像を想定しながら販売を行うことによって顧客満足度を上げることに成功しました。
【職務経験】(ない場合は省略)
– 会社名
– 担当した業務
年 | 月 | 職歴 |
xx年 | x月 | 株式会社〇〇 入社 |
〇〇支店配属 販売担当 | ||
【業務内容】 ・化粧品の販売 ・広告・求人等の作成 ・売上管理 など | ||
xx年 | x月 | 一身上の都合により、株式会社〇〇を退社 |
xx年 | x月 | 株式会社〇〇 入社 |
以上 |
【活かせる経験】
– 前職での経験で身についたスキル
– 成功事例
– 仕事に活かせる経験・スキル
・タスク管理力
前職では、新人教育を任されておりました。新入社員のタスクの進捗を管理する中で、タスクの優先順位をつけ、適切に分割するスキルを身につけました。全体を見ながら、自分のスケジュールと並行して効率的にタスク管理をすることができます。
・コミュニケーション能力
個人の売上状況やスキルを把握し、チームで協力して目標を達成できるようにメンバーを鼓舞するよう努めてまいりました。その結果一人ひとりとの会話が増え、新人教育を任されるようになり、コミュニケーション能力が身に付きました。
【PCスキル】
Word:見積書などのビジネス文書の作成
Excel:簡単な関数を用いた計算・データ検索
PowerPoint:社内外の提案資料の作成
【資格・免許】
– 取得した資格や免許
– 言語スキル
– 勉強中の資格
– その他の関連スキル
・普通自動車第一種運転免許
・日商簿記検定試験2級 ×月×日に受験予定
【自己PR】
– 簡潔な自己紹介
– 志望動機・キャリア目標の表明
– 就業意欲や仕事に活かせる能力のアピール
前職で販売の業務を行うときに心掛けてきたことは、相手のニーズを常に把握することです。それは顧客だけに限らず、一緒に働く社員の気持ちにも目を傾け、風通しのいい職場にするためのコミュニケーションを欠かしませんでした。また、売上管理やシフトの作成などで、PCスキルを身につけました。
私は販売のプロとして貴社の製品に魅力を感じたため、タスク管理能力やPCスキルを活かすことができる事務職で貴社に貢献したいと考えております。
見本②「アルバイト・パート」→「正社員」に就職する場合
職務経歴書
日付&氏名
【職務要約】
-入社してから現在までの業務内容・成果の要約
〇〇株式会社に入社後、コールセンタースタッフを3年間経験いたしました。スマホの契約内容の変更・お問い合わせに関するお電話を一日50件ほど対応してまいりました。会社のマニュアル通りに対応するだけでなく、状況別に自分でマニュアルを作成し、効率よく顧客が抱える問題を解決しました。
【職務経験】
– 会社名
– 担当した業務
年 | 月 | 職歴 |
xx年 | x月 | 株式会社〇〇 入社(アルバイト) |
〇〇店でお電話での問い合わせ対応を担当 | ||
【業務】 ・スマホの契約プランの変更対応 ・クレーム対応 ・顧客の情報管理 | ||
xx年 | x月 | 一身上の都合により、株式会社〇〇を退社 |
以上 |
【活かせる経験】
– 前職での経験で身についたスキル
– 成功事例
– 仕事に活かせる経験・スキル
・顧客対応スキル
前職では、毎日数十件の問い合わせ・クレーム対応をしてまいりました。そのため、ビジネスで使用する敬語や電話対応のスキルが身につきました。対応に正解があるお電話ばかりではなかったため、様々なシーンで柔軟に顧客対応を行うことができます。
・論理的思考力
顧客の問題を解決するためには、聞き取り・説明・課題提示・解決案を順に考えながら対応する必要がありました。感情的な顧客に対しても、常に冷静に落ち着いて対処するなかで論理的思考力が身につきました。
【PCスキル】
タイピングスキル:1分間に150文字程度
Word:書式設定やエクスポート・印刷
Excel:簡単な関数を用いた計算・データ検索
PowerPoint:レイアウト設定・グラフの作成
【資格・免許】
– 取得した資格や免許
– 言語スキル
– 勉強中の資格
– その他の関連スキル
・普通自動車第一種運転免許
・日商PC検定 ×月×日に受験予定
【自己PR】
– 簡潔な自己紹介
– 志望動機・キャリア目標の表明
– 就業意欲や仕事に活かせる能力のアピール
私はこれまで非正規雇用として勤務してまいりましたが、責任感は人一倍強い性格です。雇用形態に関わらず、与えられた仕事で120%の成果が出せるよう努めました。また、前職での経験でさらに忍耐力も上がりました。
電話対応スキルやPCスキルを活かすことができる事務職で貴社に貢献したいと考えております。
事務職に応募する際に自己PRでアピールすること
何故、企業は未経験者を雇うのでしょうか。企業が未経験者に何を求めているのかを知れば、自ずと何をアピールすればいいのかが分かるでしょう。
そこで、企業が事務職の未経験者に求めることを以下で解説していきます。
変化に対応できる柔軟性
まず企業は未経験者に、変化に対応できる柔軟性を求めています。未経験者には固定観念がないので、一から仕事を覚える上で障害になるものがないのです。
というのも、従来のやり方にこだわるなど、先入観がある経験者と仕事をする方が苦戦するという場合は少なくないためです。
未経験で柔軟な思考力をもって仕事を覚えると、企業の傾向に合った仕事ができるようになります。また、新しいアイデアや視点を取り入れることができる可能性があります。
つまり企業は未経験者に、未経験の仕事を一から素直に覚えることができる柔軟性を求めるのです。
仕事に対する熱意
未経験者には、仕事に対する熱意が求められます。
職種が未経験の場合、仕事を一人でできるようになるまで時間がかかります。その途中で心が折れそうになってしまったり、思っていたのと違うと感じてしまったりする人がいるかもしれません。
ですので、「事務職で一人前になりたい」「この仕事が好きだから頑張りたい」といった熱意が重要なのです。
ですので企業は未経験者に、仕事に対する熱意を求めるのです。
人柄の良さ
企業が事務職未経験者を採用する場合、スキルよりも人柄を重視しているケースが多いです。
それは、人柄がよいとコミュニケーションを円滑に進めやすいためです。
事務職はデスクワークに分類されますが、実は多くの人と関わる機会が多い職種です。ですので、事務職にはコミュニケーションを円滑に進めるだけの人柄の良さが重宝されるのです。
【部署・部門別】未経験から事務職に応募する際の自己PRの見本
未経験から事務職に転職する場合は、「前職で培ったスキルをどのように活かすのか」に加え、既述したような、「企業が未経験者に求めること」をアピールする必要があります。
そうすることによって、前職に意味を持たせることができるうえに、未経験者でも採用したいと思わせる職務経歴書になるためです。
具体的に職務経歴書の自己PRをどのように書けばればいいのでしょうか。
部署・部門別で見本を紹介します。
見本①一般事務採用の場合
【自己PR】 私は、ただマニュアル通りに仕事をするだけでなく、状況に合わせて柔軟に対応する力があります。前職は営業職でしたが、顧客によって違った角度からアプローチできるように顧客の情報収集を欠かさずに行いました。また、緊張する場面を多く経験してきたため、感情のコントロールが上手くなり、精神力が強くなりました。 |
〈書く際のポイント〉
一般事務職は、書類の作成やデータ入力など、コツコツと作業する業務が多いです。ですので、そういった作業ルーティンを苦に感じることなく、人のために仕事ができることをアピールしましょう。
見本②営業事務採用の場合
【自己PR】 私はチームでのコミュニケーションを円滑に行う力があります。前職の企画職では、一つのプロジェクトを作り上げるのに、チームで何度もミーティングを行う必要がありました。何度もコミュニケーションを取るうちに、自然と自分がどのように立ち回れば円滑に進むのかが分かるようになりました。また、チームで目標を達成した時の達成感とやりがいが好きです。 |
〈書く際のポイント〉
営業事務職は顧客とのやり取り、営業部の社員とのやり取りが多い仕事ですので、コミュニケーション能力が必須です。そのため、円滑にコミュニケーションを取れることをアピールしましょう。
見本③人事事務採用の場合
【自己PR】 私の強みは、タスク管理を素早く行い、作業を効率良く進めることができることです。前職で新人教育を任されていましたが、その際に自分のタスクと新人社員のタスクの進捗を管理しながら時間内に作業を終わらせるスキルが身につきました。 |
〈書く際のポイント〉
人事事務職は、社員の情報や保険などを扱うことが多い仕事です。それらの仕事は、月でルーティン化されているため、効率よくスピーディに作業ができることをアピールしましょう。
まとめ
未経験の職種に応募する際に最も重要なことは仕事を一から学ぶ姿勢です。業界経験があったとしても、前職の先入観は捨てなければなりません。
企業が何を未経験者に求めているのか、どのような人材を求めているのかを考えながら職務経歴書を作成しましょう。