転職活動では、現在の企業での仕事をこなしながら転職先探しをしなければいけません。そのため、履歴書と職務経歴書の作成を面倒だと感じてしまうことがあります。
特に職務経歴書を初めて作成する方は、何をどうまとめたら良いのか分からない方も多いでしょう。職務経歴書は履歴書よりもフォーマットの自由度が高く、より作成のハードルが上がると言えます。
今回の記事では、職務経歴書の書き方のみではなく、効率良く職務経歴書を作成するポイントをまとめました。限られた時間を有効活用しながら転職活動を進めたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
職務経歴書の作成がめんどくさい理由
職務経歴書を作成する作業が面倒だと感じるのは、あなただけではありません。
職務経歴書は記載するべき情報が多く、これまでの自分の経験や成果をまとめる必要があるため非常に多くの労力がかかります。書き方次第で、読む相手が受ける応募者への印象も変わるでしょう。
さらに、職務経歴書には明確なルールが存在しないという点も、作成時の手間を増やしている要因の一つです。自由に書いて良いからこそ、書き方に悩んでしまうのです。
それでも、一度作成した職務経歴書は多少の修正をするだけで何度も使い回せます。再度転職する際には職歴を追加すれば良いでしょう。
初めて職務経歴書を作成する時に面倒臭いと感じる方もいますが、今後も長く使える書類だと考えてください。
職務経歴書は絶対に必要?
履歴書には「職歴」の欄があります。そのため中には職務経歴書は不要だと感じる方もいるようです。
しかし、履歴書の職歴欄に記載可能な情報は、勤務先の名称・所属部署・入社日と退職日(退職予定日)程度でしょう。
実際に自分がこれまでどのような業務に取り組み、何を経験して成果を残したのかを伝えるにはスペースが不足しているのです。
職務経歴書であれば、これまでの自分の職歴を存分にアピール出来ます。書類選考の段階で採用担当者に興味を持ってもらえれば、次のステップに進める可能性が高くなるでしょう。
このような理由から、職務経歴書の提出が指定されていない企業に応募する際でも職務経歴書を作成することをおすすめします。
職務経歴書のおすすめの書き方
職務経歴書には細かなルールが設定されていません。しかし、採用担当者が読みやすく伝わりやすい書き方を意識すると、多くの場合は似たようなスタイルにまとまります。
ここでは、伝わりやすい職務経歴書の書き方をまとめました。
職務経歴書の全体像は、次のような構成にすると良いでしょう。
1.職務要約
2.職務経歴
3.資格
4.語学
5.活かせる経験
6.自己PR
一つひとつの項目について説明していきます。
1.職務要約
職務要約は、これまでの職務経歴のダイジェストです。複数社で勤務経験がある方は分かりやすく自分の職歴をまとめてください。これまでの職歴が一社の方は、該当の職歴について書けば良いでしょう。
職務要約は3〜4行/200〜250文字を意識し、ダラダラと長くなり過ぎないように注意してください。職務要約を読んだ採用担当者が、次の項目である「職務経歴を読みたい」と思ってもらえることが理想です。
〇〇大学卒業後、〇〇サービスを顧客に提供している〇〇株式会社に入社。営業職として新規顧客の開拓を担当しました。入社3年目にはチームのトップ成績を上げ、4年目には設定された営業目標を150%達成した上でチームリーダを担うことになりました。
営業職5年目となる現在では、15名のメンバーをマネジメントしながら営業活動を行っています。これまで培ってきた営業力とマネジメント力を活用し、貴社に貢献したいと考えています。
2.職務経歴
職務経歴では、自分が担当した業務を含めた職務概要を企業ごと・担当業務ごとに説明します。
職務経歴の記載方法には下記の4種類があり、基本的には時系列の記載方法が選択されます。
・時系列(古い職歴→新しい職歴)
・逆時系列(新しい職歴→古い職歴)
・職種や業務別
多くの方は職務経歴を「古い職歴→新しい職歴」の順で書き連ねていますが、採用担当者目線では「新しい(直近の)職歴」から順番に遡る形で記載されている方が、読みやすくなります。また、逆時系列の書き方であれば、直近の職歴を強調出来るでしょう。
自分の職歴の中でアピールするべきポイントを見つけて、該当の職歴が目立つ書き方を選択してください。
職歴を説明する際には次の情報を記載することが大切です。
1.在籍期間
2.企業名(従業員数)
3.主な事業内容
4.所属部署
5.担当業務
6.実績
特に実績の説明には数字を使った表現を心がけてください。例えば「売上目標クリア」は「売上目標の130%を達成」と記載した方が、実際の成果が読む相手に伝わりやすいでしょう。
3.資格・語学・活かせる経験
職務に活かせる資格、語学や経験があれば職務経歴書を活用してアピールしてください。転職に有利な資格は事前に取得しておくことをおすすめします。
また、応募している企業の業種に関係性が低いものであっても、採用担当者に「自己研鑽に意欲的な人物」という印象が残せるでしょう。
資格・語学・活かせる経験の項目は冗長的な書き方をせず、箇条書きを活用して簡潔に事実を伝えてください。資格を取得した理由や経緯などを職務経歴書で説明する必要はありません。
4.自己PR
自己PRでは応募への熱意が籠った志望動機よりも、自分が応募先にとって有益な人材である点のアピールに力を入れてください。
転職活動では「自分が応募先に転職することを強く希望している」事実を面接官に伝えるのではなく、「自分が応募先が求めている人材と自分がマッチしている」「自分が転職後に応募先に貢献可能なポテンシャルを持った人材である」と感じてもらうことが重要です。
応募企業のホームページにある新卒採用ページなどをよく確認すると、その企業の求める人物像を明らかに出来ます。自己PR作成時の参考にすると良いでしょう。
また、自己PRの内容は面接での話題になることがあるため、書いた内容と面接での受け答えに相違が生まれないように注意してください。
職務経歴書がめんどくさい時の対処法
職務経歴書は自分の経験や能力をアピールする重要な役割を持つものです。しかし、作成を面倒だと感じて少しでも効率良く職務経歴書を作りたいのなら、以下の対処法を参考にしてください。
テンプレートをダウンロードする
職務経歴書のフォーマットを作るのが面倒だと感じる方は、転職エージェントサイトなどで公開されている職務経歴書テンプレートを活用すると良いでしょう。
多くのサイトでは無料で職務経歴書テンプレートが配布されており、自由にアレンジが加えられます。
テンプレートをパソコンにダウンロードした後は、決められた枠に沿って必要事項を記載するだけで簡単に職務経歴書を作成出来ます。
手書きではなくパソコンやスマホで作成する
職務経歴書には記載するべき情報が多く、手書きで作成するには多くの時間がかかってしまいます。
以前までは「履歴書や職務経歴書は手書きが基本」という風潮がありましたが、応募自体がオンライン化されることも増えた現在は、パソコンで作成した応募書類に悪い印象を持つ採用担当者はほとんどいないと言って良いでしょう。
ただし、自分の字に自信がある方は、手書きで応募書類を作ることで他の応募者と差別化出来る可能性があります。
自動作成ツールを使ってみる
業務効率化が進む現在では、職務経歴書を自動作成可能なツールも存在します。
職務経歴書自動作成ツールでは、必要項目を指示された通りに入力するだけで読みやすくまとまった職務経歴書が作成出来るのです。
職務経歴書作成ツールは「職務経歴書作成エディター」と呼ばれる場合もあります。豊富な例文や入力のヒントが用意されているサービスも多いため、文章作成が苦手な方におすすめでしょう。
職務経歴書の自動作成ツール3選
最後に、おすすめの職務経歴書自動作成ツールを3つ紹介します。使いやすいツールを見つけてください。
yagish(ヤギッシュ)
日本最大級の履歴書作成サービスを展開している株式会社Yagishが提供しているのが「yagish(ヤギッシュ)」であり、会員登録なし・無料で利用出来るWebサービスです。
パソコンまたはスマートフォンからサイトにアクセスし、転職希望者の職種に合わせたテンプレートから該当するものを選んだ後に必要事項を記入していくだけで職務経歴書を作成出来ます。
職務要約と自己PRにはいくつかの例文が用意されており、「どのように文章を書き進めたら良いか悩んでしまう」というような方におすすめです。
作成した職務経歴書はPDFデータとして保存可能なのみでなく、コンビニでの印刷にも対応しています。
公式サイト:ブラウザでつくれる履歴書「yagish(ヤギッシュ)」
One
保育特化型求人データベースサービスなどを手がける株式会社SecondGameが提供しているのが「One(ワン)」です。
会員登録なし・無料で利用出来ますが、「サーバー自動保存・PDFメール送信・コンビニ印刷」の機能は会員登録が必要となります。
作成可能な職務経歴書は日本工業規格(JIS)に従ったシンプルなフォーマットです。
コンビニ印刷の際の費用が150円からと業界最安値となっている点が特徴であり、まず試しやすいサービスだと言えるでしょう。
公式サイト:スマホで履歴書・職務経歴書作成 テンプレートサービス|one
anata
インターネット広告専門の広告代理店である株式会社カルテットコミュニケーションズが提供しているのが「anata(アナタ)」です。
ブラウザ内で履歴書・職務経歴書を無料で簡単に作成することができます。
最大の特徴は、作成した職務経歴書をダウンロードせずに、そのままURLを企業に送れることです。
この機能は、プリンタがない方や急いでいる方に大変便利でしょう。
もちろん、PDFとして保存し、ダウンロードして印刷することも可能です。
さらに、アカウント登録をすれば、ログイン後に、保存した履歴書・職務経歴書を編集し直すことができます。
スマホさえあればすぐに作成できるツールなので、パソコンを持っていない方におすすめのサービスです。
公式サイト:anata:オンライン履歴書・職務経歴書作成ツール
まとめ
職務経歴書の作成を面倒だと感じるのであれば、無料のフォーマットを活用したり職務経歴書の自動作成ツールを使ったりすると良いでしょう。
特に、自動作成ツールであれば文章作成が苦手な方や仕事が忙しく職務経歴書作成に時間が割けない方でも、優れた職務経歴書が作成出来るでしょう。
職務経歴書で自分の経験や能力をアピール出来れば、採用担当者に良い印象を残せる可能性が高くなります。