履歴書を手書きする際に、最も有効な書き損じを予防する手段は下書きです。
「履歴書は下書きしてはいけないのでは?」と考えている方もいるようですが、履歴書を下書きする行為に問題はありません。
ただし、履歴書の仕上がりを美しくするためには、下書きをした事実は可能な限り分からないようにしなければなりません。
下書きは消し忘れ・消し跡が残ることがないように注意しましょう。
手書きの履歴書は書き損じをすると最初から書き直さなければいけない非効率なものですが、下書きにより美しく理想的な履歴書を作成できます。
今回の記事では履歴書の下書きの方法やメリットをまとめました。これから履歴書を作成予定の方は、ぜひ参考にしてください。
履歴書を下書きするメリット
履歴書を下書きすれば、次のようなメリットが得られます。履歴書の下書きにより得られるメリットを理解しておきましょう。
誤字脱字を防げる
誤字脱字は気をつけていても起こってしまうものでが、下書きにより誤字脱字が防げます。
パソコンやスマホで作成した文書の誤字脱字はすぐに修正可能なものの、手書きの履歴書は修正液や修正テープを使用できません。
そのため、誤字脱字をすると初めから履歴書を書き直さなければいけません。
下書きがあれば、下書きの段階で誤字脱字に気が付け、消しゴムで簡単に修正可能です。
誤字脱字がある履歴書は、応募への本気度が低い・注意力に欠けている人材であると採用担当者に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
履歴書の誤字脱字にはよく注意してください。
文字の大きさ・間隔を整えられる
下書きをしながらバランスを整えれば、用意されたスペースにぴったりの文字サイズ・間隔で文字が清書できます。
文章を書いていると、予定よりもスペースが狭くなってしまい、後半の文字を小さくする・詰めて記載する場合があります。
そのような文章はバランスが崩れ、美しい仕上がりとは言えません。
また、用意された欄に対して文字が小さ過ぎ、スペースが残ってしまう状態も避けるべきです。
そのため、履歴書に限らず文字の大きさや間隔を揃えられない方は、普段から下書きをする癖をつけるとよいでしょう。
文章の推敲ができる
下書きをすれば、自分が記載した文章を何度も修正可能です。
文章や構成を調整することで、内容がまとまった分かりやすい仕上がりにできるでしょう。
特に志望動機や自己アピール欄は、事前に何度もブラッシュアップするべき項目です。
文章作成能力は大半の業務で求められます。
そのため、質の高い文章が書ければ、採用担当者に採用後に安心して仕事を任せられると感じてもらる可能性が高まるでしょう。
履歴書をキレイに仕上げる手順
美しい履歴書を作成するためには、次の書き方で履歴書を作成してください。
履歴書作成は短時間で急いで行うべきではありません。時間をかけてじっくりと満足できる仕上がりを目指しましょう。
①履歴書の見本を作成する
下書きは何度でも消して書き直せるものですが、あまりに書き直しの回数が多過ぎると、履歴書が汚れてしまう可能性が高くなります。
下書きだからと言って、何の用意もなく履歴書を書き始めるのではなく、事前に履歴書の見本を作成してから書き写しましょう。
この際の履歴書の見本は、パソコンやスマホを活用して作成することをおすすめします。
データで作成した履歴書であれば、複数の企業に応募する際に別のパターンを作成したり、何度も内容を見直したりする時の手間を最小限に抑えられます。
②自由記述欄に鉛筆で罫線を引く
真っ直ぐ文字を書くことは意外と難しいものです。そのため、線が用意されていないタイプの自由記述欄には定規と鉛筆で薄い横線を引いておいてください。
記載する線は、履歴書の枠線・履歴書自体と並行で、均等な行間でなければいけません。
読みやすさを意識するためには、行間は文字の1.5倍程度を目安にするとよいでしょう。
③鉛筆で薄く下書きする
ここまでの準備が十分整ってから下書きを始めます。
下書きは綺麗に消せるように力を入れ過ぎず、薄く書いていくようにしてください。
使用する鉛筆は、文字が濃い2BやB・芯が硬過ぎる2Hなどではなく、HまたはHBを選んでください。
下書きだからと考えて文字サイズや間隔に問題があると、下書きの意味がなくなってしまいます。下書きも丁寧に書くことが肝心です。
④ボールペンで清書する
下書きを書き終えたら、読み返して、誤字脱字がないかを確認します。
その後、ボールペンで丁寧に清書を進めます。
この際、下書きを意識しながら、下書きよりも美しい文字が書けるようにしてください。
文章全体のバランスは下書きの段階で整っているため、一文字一文字を丁寧に書くことに集中しましょう。
⑤インクがしっかり乾いたか確認する
清書後の履歴書はインクがしっかり乾いているのを確認しなければいけません。
清書後のボールペンが十分乾かない段階で消しゴムをかけると、インクのせいで履歴書が汚れてしまいます。これは履歴書の下書きで起こりやすい失敗です。
ティッシュを優しく清書した文字の上に置いてインクがティッシュに付かないかを確かめれば、インクの乾き具合を正確に確認できるでしょう。
ただし、乾いていない状態のインクを押しつぶしてしまわないために、ティッシュを清書に強く押し当ててはいけません。
⑥鉛筆で書いた罫線・下書きを消す
清書のインクが完全に乾いたことを確認したら、下書きを一文字ずつ丁寧に消していけいきます。
履歴書全体の下書きを一度に消そうとすると、履歴書が折れたりシワになったりする可能性があります。下書きを消し去る作業は時間をかけて進めてください。
また、消しゴムのせいで履歴書を汚さないように、汚れのない真っ白な消しゴムを活用します。
下書きを消す作業を進める中で消しゴムが汚れてきたら、消しゴムを綺麗にしてから作業を再開するようにしましょう。
⑦最終チェックを行う
下書きを全て消し終えたら、消し忘れがないかだけでなく、誤字脱字やバランスが崩れている部分がないかもう一度見直します。
この最終段階でチェックするべきポイントは以下の通りです。
- 履歴書に書き忘れはないか
- 下書きの消し忘れはないか
- 清書した文字に滲みや掠れはないか
- 履歴書に汚れやシワはないか
履歴書は採用の有無を左右する重要な書類です。仕上がりに納得できるまで最終チェックを行いましょう。
⑧クリアファイルで保管する
完成した履歴書はすぐにクリアファイルに入れてください。クリアファイルは履歴書の汚れや折れを予防します。
履歴書を郵送する場合・持参する場合のどちらの時でも、履歴書を汚さないようにクリアファイルを活用します。
なお、クリアファイルに傷や汚れがあると受け取った相手に与える印象が悪くなるため、クリアファイルは無地透明かつ新品のものを使いましょう。
履歴書の下書きをする際のポイント
ここでは、履歴書を下書きする前に知っておくべきポイントをまとめました。
履歴書の下書きをする際は、以下のポイントに注意してください。
消せるボールペンは使わない
履歴書の下書きに、消せるボールペンを使用してはいけません。
消せるボールペンは下書き後に摩擦熱で消せますが、ボールペンで書いた下書きにボールペンで清書をするのは非常に難しいためです。さらに、清書漏れや文字のかすれに気がつきにくくなります。
下書きに使用する筆記具は消せればよいというわけではなく、清書が進めやすいものを選ばなければいけません。その点を考慮すると、鉛筆が最も下書きに優れていると言えるのです。
また、履歴書は改ざんを予防するために記載後に内容を変更できないペンで書くものです。清書にも消せるボールペンを使用できないことを覚えておきましょう。
筆圧に気をつける
普段から筆圧が強い方は、特に筆圧を強くし過ぎないように注意してください。
それは、筆圧が強い状態で下書きをすると、下書きを消しゴムで消しても下書きの跡が残ってしまうためです。
履歴書をキレイに仕上げるには、下書きの跡は可能な限り、分からないように消す必要があります。
また、筆圧が強過ぎたり濃過ぎる下書きは、清書しにくい・消しゴムで消す際の手間が増える可能性もあります。履歴書の下書きは、優しい筆圧で薄めに書くように心がけましょう。
履歴書の清書におすすめのボールペンは?
履歴書の清書に適した筆記具は、油性またはゲルインクのボールペンです。
ボールペン選びで注意するべきポイントは、以下を参考にしてください。
- 履歴書の裏側までうつる・染みることがないか
- 文字がかすれたり滲んだりしないか
- 最適な芯の太さは07.mmまたは0.5mm
履歴書に活用するボールペンの芯の太さは、0.7mmであれば、太さはあるものの見えやすく力強いイメージになります。
0.5mmは、一般的なボールペンの太さであり、バランス良く狭い記入欄にも美しい文字が書けます。
0.3mmの芯のボールペンは、弱々しく自信がない雰囲気に仕上がるため、履歴書への使用を避けるべきでしょう。
また、水性インクのボールペンは完全に乾くまでに時間がかかるのみでなく、万が一応募先でお茶や水が履歴書にかかった時に内容が消えてしまいます。
履歴書の清書には必ず油性のボールペンを活用してください。
ボールペン選びでは、持ちやすさ・書きやすさ・なめらかさのみでなく下書きした鉛筆の文字との相性も確認しなければいけません。
不要な紙に鉛筆で文字を書いてみて、上からボールペンでなぞり、「書きにくさはないか・掠れやすさはないか・下書きを消しやすいか」を事前に確認することをおすすめします。
まとめ
下書きを活用すれば、手書きの履歴書で書き損じをするリスクを大幅に減らせます。
しかし、複数の応募先に履歴書を用意する際には、多くの時間と労力が必要なことに違いはありません。
応募先から履歴書に手書きの指定がない場合には、パソコンやアプリを活用して履歴を作成可能です。パソコンやアプリで作る履歴書は下書きの必要なく何度でも修正を繰り返せます。
さらに応募先ごとに一部分のみを変更して履歴書を使い回せば、効率良く多くの企業に向けて応募書類を作成できるでしょう。
この記事を参考に、自分に適した履歴書の作成方法や手書きの履歴書を美しく仕上げる方法を身につけましょう。