履歴書や職務経歴書は以前まで手書きで書くものでしたが、デジタル化が進んだ今ではパソコンでの履歴書作成も一般的になりました。また、インターネットで履歴書の作成を勧められるサービスも普及しています。
今回の記事では履歴書をネットで作成するメリットやデメリットについてまとめました。履歴書作成をオンラインで行いたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
履歴書をネットで作ってもいい?
履歴書をネットで作成していいのか迷う方は多いです。履歴書はネットで作っても問題ありません。ですが、「手書きの履歴書を提出」のような指定がある企業では、必ず手書きの履歴書を提出する必要があります。それ以外の場合は自分で履歴書の作成方法を選択可能です。
少しでも採用担当者に良い印象を与えたいのなら、次のポイントを把握しておいてください。
アットホームな企業への応募:手書きの履歴書の方が好印象になる場合がある
IT企業への応募:パソコンで作成した履歴書の方がITスキルを不安視されない
こちらは参考事例であり、応募先の企業の特色を理解した上で履歴書の作成手段を考えるべきです。
また、履歴書の応募方法に郵送ではなくメール添付を指定している企業の大半は、パソコンで作成済みの履歴書が送られてくることを想定しています。
手書きの履歴書をスキャンしてデータ化してメール添付することも可能ではあるものの、効率が悪いと感じられる恐れがあるでしょう。履歴書をネットで作成して良い・悪いという基準は用意されておらず、応募先に適した臨機応変な対応が必要だと考えてください。
履歴書をネットで作る際のメリット
履歴書をネットで作るメリットには次のようなものがあります。メリットを理解しながら自分に適した方法で履歴書が作れるようにしてください。
読みやすい履歴書に仕上げられる
手書きの文字の上手さに関わらず、大半の方は手書きの文字よりも普段から読み慣れている電子デバイスの文字の方が読みやすさを感じるものです。特に採用担当者は1日に何十通もの履歴書に目を通さなくてはいけないため、読みやすさは重要なポイントであると言えるでしょう。
自分の手書きの文字に自信がない方は、ネットでの履歴書作成を選ぶべきです。
手書きの履歴書と比較して短時間で履歴書を作成出来る
ネットで履歴書を作成する際にも、誤字脱字に注意しながら優れた文章を作り込まなければいけません。しかし、書き直し作業・手書き作業がないネットの履歴書であれば、より短い時間で効率良く履歴書作成を進められるでしょう。
履歴書を購入しに行く必要がなくなり、証明写真もスマホで撮影可能なことから、当日中に提出しなければいけないなど時間に余裕がない状態でも履歴書作成・提出を間に合わせられます。
特に転職を希望する方の多くは現在の仕事をしながら転職活動を行うため、あまり多くの時間が用意出来ないものです。ネットを活用した履歴書作成は効率的だと考えて良いでしょう。
書き直しの必要がなく他の企業応募時にも使い回せる
手書きの履歴書は改ざんされないようにボールペンや万年筆などの筆記具で記載する必要があり、修正液や修正テープを使ってはいけません。そのため、書き損じがあれば最初から履歴書を書き直すことになるのです。
また、複数の企業に応募する際には、履歴書を作成する作業に多くの時間が必要です。ネットで作成する履歴書は簡単に修正可能であり、内容を少し変えるだけで複数企業の応募に使い回せるでしょう。
履歴書をネットで作る際のデメリット
履歴書をネットで作成する取り組みには、メリットのみでなく次のようなデメリットも存在します。事前にデメリットを把握しておけば、発生しやすいトラブルを予防出来るでしょう。
誤字脱字を含む誤入力
ネットで履歴書を作成する際には、手書きの場合よりも誤字脱字が発生しやすくなります。確認不足により選択肢を誤ってしまうこともあるでしょう。
選択入力で学歴の学校種別や職歴の雇用形態を間違えてしまうと、意図的な場合でも経歴詐称になる可能性が考えられるのです。履歴書を提出する前には十分な内容確認が必要です。
保存忘れによるデータの消失
ネットで作成した履歴書の保存を忘れると、入力内容が消えてしまいます。時間をかけて作成した履歴書も、一瞬で消失する恐れがあるのです。
ネットで履歴書を作成する際はこまめにデータ保存をするか、事前にWordなどに下書きしたデータをコピペすると良いでしょう。
保存忘れによるデータの消失は普段から起こりやすい問題であるため、「こまめな保存」を習慣化させてください。
他社宛のデータを変更し忘れる
ネットで作成済みの履歴書を複数の企業に使い回すことは一般的な取り組みですが、志望動機や希望条件の欄は企業ごとに変更するものです。
変更を忘れたままの履歴書を別の応募先に提出すれば、採用担当者に悪い印象を与えるでしょう。
このようなミスは、採用担当者に自社が第一希望でないと思われるのみでなく「普段からケアレスミスをする人」「確認作業が不足している人」だと感じられてしまう恐れがあるのです。
内容を簡単に更新できるネットの履歴書だからこそ、送信前のデータは何度も確認しなければいけません。
履歴書をネットで作る際のポイント
履歴書をネットで作成すれば、効率良く転職活動が進められます。修正や再作成に多くの時間を割く必要はないでしょう。ここでは、履歴書をネットで作成する時のポイントについてまとめました。
自分に合った履歴書テンプレートを選ぶ
履歴書のテンプレートにはいくつかの種類があります。どのテンプレートも同じだと考えずに自分に適したものを見つけてください。
例えば、自己PRやフリースペースのサイズ・項目の書き方・書き込める情報の量は、履歴書のテンプレートにより異なるものです。
使いやすい履歴書のテンプレートを使い回しても良いですが、応募先の求人内容に合わせて自分が強調したいポイントにボリュームを割けるテンプレートを選択するという手もあるでしょう。
まずは、複数の履歴書テンプレートを確認してみてください。また、テンプレートから作成する際は、WordやExcelソフトで作成し、提出時にはPDFへの変換機能を使用しPDF形式にして送るのがスマートです。
字数に応じて文字サイズや字間などを調整する
履歴書の優劣は書き方で決まり、優れた履歴書を作成出来る人材は採用担当者に良い印象を与えます。履歴書作成時には作成手段に関係なく「読みやすさ・伝わりやすさ」に重点を置いてください。
例えば、びっしりと小さな文字が詰め込まれた志望動機よりも、適切な文字サイズ・字間で仕上げられた文章の方が読む相手のことを配慮していると言えるでしょう。
どんなに優れた内容だとしても、読みにくい文章を書いてはいけません。特に、パソコンで作成した文章の文字が小さくても入力者に負担はかかりませんが、読む相手にはストレスを感じさせると考えてください。
文章量が多いのなら箇条書きを使うなどの方法も取り入れ、いかに読みやすく伝わりやすく仕上げるか工夫するべきです。
履歴書をネットで作る際の注意点
履歴書をネットで作成する際には、次の注意点を把握しておきましょう。効率を上げるためにネットを活用するのは良いですが、採用担当者に悪い印象を与えてしまうような失敗は避けなければいけません。
スマホで証明写真を撮るときは撮影環境に気を付ける
ネットで作成する履歴書には証明写真の画像データが必要です。証明写真のデータの需要が増えた現在では、写真館やスピード写真機で証明写真に活用出来るデータを受け取れます。
特に写真館での撮影はコストや外出の手間がかかりますが、プロによる高いクオリティの写真データが手に入るでしょう。
しかし、時間が用意出来ずスマホで証明写真を撮影するしかない場合もあります。スマホの自撮り写真を証明写真として活用するのであれば、以下の点に注意してください。
・背景:家具や窓などがない無地の壁を用意する
・照明:明るく色味がないものを用意する
まず、背景には家具や窓が映り込んではいけません。可能な限り白色かつ無地の壁の前で撮影してください。照明は顔を明るく照らせるのみでなく顔に影が出来ないように注意する必要があります。
証明写真撮影用のアプリを活用しながら、スピード写真機や写真館の仕上がりに近づけるようにしましょう。
誤字・脱字の入力ミスや文字化けをチェックする
パソコンで作成する文章は手書きの文章と比較して誤字脱字が増えやすいものです。自分で書いていないこと・漢字が自動で変換されることがミスの原因だと言えるでしょう。
例えば「自身」が「自信」、「貴社」が「記者」などの変換ミスは、作成後の文章を軽くチェックしただけでは気がつけない可能性があります。
入力段階で十分注意しながら打ち込みをし、完成した文章はWordなどにコピペして間違いがないか校閲機能でチェックしてください。
また、ネットで履歴書を作成した時には環境依存文字のせいで文字化けが起こってしまうことがあります。旧字体・丸囲み文字・ローマ数字・括弧囲み文字などの使用は極力避けてください。
プレビューで余白や改行のチェックをチェックする
ネットで作成した履歴書は、PDF化または印刷してみると見た目に違いが生まれる可能性があります。余白や改行の状態が異なれば、読む人に与える印象も変わってしまうでしょう。
作成済みの履歴書は「印刷プレビュー」機能を活用し、違和感がないか十分確認してください。
可能であれば実際に印刷をして、誤字脱字がないかのチェックも進めると良いでしょう。紙でのチェックは画面で確認するよりも細かな部分まで見直せます。
まとめ
ネットで履歴書を作成すれば、より効率良く転職活動を進められます。しかし、手書きの履歴書と比較して誤字脱字などのミスが発生しやすい点を忘れてはいけません。
履歴書作成時には履歴書を読む相手の立場に立ち、読みやすさ・伝わりやすさを重要視するべきです。
履歴書をネットで作成するのなら、十分な確認を行ってから応募先に提出してください。