履歴書は採用につながる重要な書類ですが、履歴書の基本的な書き方やルールを理解していない方もいるようです。
採用担当者に悪い印象を与えるNGな履歴書では、採用のチャンスが得られないでしょう。
例えば、履歴書に前職の機密情報を書いてしまったり、自分の経歴や資格を偽ってしまうことがあれば、大きな問題につながる可能性があります。
今回の記事では、履歴書の正しい書き方や守るべきマナーについてまとめました。書類選考が通らずに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
ダメな履歴書のNGポイント①:履歴書が読みづらい
履歴書を読む採用担当者は、何十枚もの履歴書を毎日確認しています。
読みにくさを感じる履歴書は時間をかけて読む気になれないだけでなく、そのような履歴書を作成した応募者によい印象を持てないものです。
読みにくい履歴書の特徴を知り、自分の履歴書に当てはまる部分がないか考えてみてください。
字が雑に書かれている
雑に書かれた字は読みにくく、応募の本気度が低いと評価される傾向があります。
履歴書の文字は、時間をかけて丁寧に書くようにしてください。
丁寧に書かれた文字からは、応募に対する熱意や意気込みが伝わってくるでしょう。
関連記事:履歴書の字が汚いと不採用になる?きれいな書き方と対処法を解説
字が小さすぎたり大きすぎたりしている
字が小さすぎる・大きすぎる状態では、履歴書全体が読みにくくなります。
パソコンで履歴書を作成する場合は、基本のフォントを10.5〜11pt、名前などの枠が大きい項目は13〜18ptで設定するとよいでしょう。
手書きで履歴書を作成する際には、項目ごとにバランスよく・読みやすい文字サイズを考えてください。
また、同じ項目の中で文字サイズが大きくなったり小さくなったりすると、さらに読みにくくなります。
手書きの場合、文字サイズを合わせることは難しいですが、文字のサイズは統一するように心がけましょう。
なお、自分の目では客観的な判断ができない可能性も考えられるため、作成後の履歴書を家族や友人に見せてアドバイスをもらうとよいでしょう。
フォントの種類が統一されていない
パソコンで履歴書を作成する際に、項目ごとにフォントが変わる履歴書は読みにくくバランスが悪い印象になります。
履歴書全体を通して、使用するフォントは一つに統一してください。
基本的には、Windowsなら「MS明朝」Macでは「ヒラギノ明朝」を選ぶとよいでしょう。
明朝体は、書籍や参考書にも使われる馴染み深いフォントです。読みやすくきちんとした印象になることから、履歴書を含むビジネス文書に適しています。
関連記事:履歴書におすすめのフォントとは?読みやすい字体・サイズ・書き方を解説
年号の表記が統一されていない
履歴書作成時の基本的なルールとして、履歴書の年号表記は全て統一する必要があります。
例えば、生年月日を和暦で「平成元年」と記入し、学歴欄と職歴欄を西暦で「2020年」と書くようなことがあれば、読む相手に分かりにくい内容になってしまうのです。
和暦・西暦のどちらを選ぶべきというルールはないものの、年号は必ずどちらかの表記に統一しましょう。
また、和暦の場合は元号を正式な表記で書いてください。「令和」「平成」を「R」「H」と省略しないようにしましょう。
文章がまとまっていない
文字の大きさや字の書き方のみでなく、文章の内容も履歴書の読みやすさに影響を与えます。
専門用語を多用したり、結論が分かりにくい文章を書いていたりすると、採用担当者が最後まで履歴書を読まない可能性があります。
特に志望動機や自己PRは、ビジネス文書の基本である「結論から書く」ように注意し、簡潔かつ伝わりやすい文章が作れるようにしてください。
自分で文章を直せないという方は、転職エージェントなどのプロに相談してみるのもよいでしょう。
ダメな履歴書のNGポイント②:ビジネスマナーに欠けている
履歴書の提出でビジネスマナーが守れない応募者は、採用後も業務中にマナー違反をしてしまう可能性があると考えられてしまいます。
履歴書作成・提出時のビジネスマナーは、必ず守るようにしてください。
履歴書・封筒が汚れている
汚れがある履歴書・封筒を企業に送ることはマナー違反です。
履歴書作成中についてしまったインクやノリの跡なども汚れと認識されるため、注意しましょう。
作成した履歴書は汚れないように扱い、折れたりシワがついたりしないようにクリアファイルに入れて管理します。
万が一、履歴書・封筒が汚れてしまった時には、新しいものを用意してください。
ボールペン以外で記入されている
履歴書を手書きする場合には、油性またはゲルインクのボールペンで記入します。
基本的には0.7mm程度かつ黒色のインクのボールペンを選ぶとよいでしょう。
履歴書は読みやすさのみでなく、記入後に内容を変更できない筆記具で書く必要があります。
鉛筆や水性インク・摩擦で文字が消えるタイプのペンは、履歴書作成に適していません。
修正テープが使用されている
履歴書は応募先に提出する重要な文書です。
修正テープを使用すると、文書としての信憑性が疑われる可能性があるでしょう。
履歴書を手書きしている時に誤字・脱字などのミスをしてしまった時には、一から履歴書を書き直してください。
どうしても履歴書を書き直す時間がない場合は、修正箇所に二重線を引いた上で訂正印を押して修正します。
言葉遣いが間違っている
言葉遣いの間違いがある履歴書は、採用担当者に悪い印象を与えます。
特に、話し言葉を履歴書に使用しないようにしてください。それは、公式な文書には、文語表現を使うのがビジネスマナーであるためです。
例えば「〜なので」「やっぱり」「いつも」「ですから」などの話し言葉は、履歴書の文中で使用してはいけません。
また、「見れる」「来れる」のような「ら抜き言葉」にも注意しましょう。
その他の間違えた言葉遣いについては、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:履歴書を書く際のNGワードと注意すべきポイントを解説
正式名称で書かれていない
履歴書では、学校名・企業名・資格名の全体を通して略称を使用してはいけません。
略称だと気づかずに使用している可能性も考えられるため、注意が必要です。
正式名称だと勘違いされやすい略称の一覧は、以下を参考にしてください。
高校→高等学校
バイト→アルバイト
就活→就職活動
また、学校名は私立・県立なども含めた正しい名称を記入しましょう。
証明写真が貼られていない
企業から特別な指定がない限り、履歴書には必ず証明写真を貼り付けます。
パソコンで履歴書を作成する場合でも、写真はデータで印刷するのではなく印刷後の履歴書に貼り付けるようにしてください。
履歴書に証明写真を用意する必要がない事例については、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:履歴書の顔写真なしはNG?必要な理由と不要なケースを解説
写真の身だしなみが整っていない
履歴書の証明写真は、面接に行く時と同じような整った身だしなみで撮影します。
それは採用担当者が、履歴書の証明写真から応募者の第一印象を決める傾向があるためです。
証明写真撮影機などで理想的な写真が撮れない方は、写真館を利用してプロに質が高い証明写真を撮影してもらうとよいでしょう。
採用担当者に、よい印象を与える身だしなみについては、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:【中途採用】履歴書の写真に適した服装とは?身だしなみのポイントを詳しく解説
封筒のサイズが適切でない
履歴書の封筒は角型2号サイズを用意します。
小さすぎる封筒では履歴書を何度も折らなければならず、履歴書に余計な折り目がついて読みにくくなってしまうためです。
手書きの履歴書用紙には小さい封筒がセット販売されていることがありますが、履歴書を二つ折り以上に折らずに入れられる封筒を用意するべきでしょう。
封筒の書き方が正しくない
履歴書を送付する際の封筒には正しい書き方があります。
企業宛に履歴書を送る場合には「(企業の正式名称)御中」、採用担当者宛であるものの担当者名が分からない時には「(企業の正式名称)(採用担当者が在籍する部署の正式名称)採用担当 御中」と書いてください。
採用担当者の個人名が分かる場合は、「(企業の正式名称)(採用担当者が在籍する部署の正式名称)(採用担当者の氏名)様」と書きます。
また、住所や個人名は文字サイズのバランスを整えて、御中または様を付ける宛先を他の文字よりも少しだけ大きめに書くとよいでしょう。
封筒の表面左端には赤文字で「履歴書在中」と記入し、裏面に自分の住所・郵便番号・名前を記入します。
郵送中に文字が滲んでしまう問題を防ぐために、履歴書の封筒には油性ペンを使用してください。
関連記事:履歴書の封筒のきれいな書き方とは?封筒にまつわるビジネスマナーも紹介
送付状がない
書類に送付状を添付することは、社会人が守るべきビジネスマナーの基本でもあります。
そのため、送付状がない履歴書を送る応募者は、「ビジネスマナーが守れない人」と感じられる可能性が考えられるでしょう。
履歴書を採用担当者に手渡ししない場合は、送付状を用意して「誰が・誰に・履歴書を送っているのか」を明らかにしてください。
送付状の書き方については、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:【履歴書の送付状(添え状)】PCで作る横書きと手書きの縦書きを解説
ダメな履歴書のNGポイント③:志望の熱意が伝わらない
第一志望の応募先に提出する履歴書は、誰もが丁寧に作成するものです。
そのため、次のような特徴を持つ履歴書を提出すると、「志望度が低い応募者」だと認識される可能性があるでしょう。
誤字脱字が多い
誤字脱字が多い履歴書を提出した応募者に対して、採用担当者は「最終確認を怠った人」「注意力が不足している人」という印象を持ちやすいものです。
結果的に、志望度が低いと感じられてしまうでしょう。
作成済みの履歴書は何度も確認し、文章中に誤字脱字がないように注意してください。
空欄がある
履歴書は全ての項目を埋める必要がある正式な文書です。
空欄が存在する履歴書は、「書類不備」として正式な書類として扱われない恐れがあるでしょう。
資格を所持していない方は資格欄に「特になし」、特別な希望がない場合の本人希望欄は「貴社の規定に準じます」と書いて、空欄を作らないようにしてください。
履歴書を使い回している
転職活動・就職活動では複数の企業に応募をするものですが、履歴書の使い回しをしてはいけません。
本来であれば、志望動機は応募先の企業ごとに異なるものです。
同じ業種や業界であるからという理由で、使い回しの内容で作成された履歴書は、採用担当者に志望の熱意が伝わらないでしょう。
ただし、パソコンで履歴書を作成する時は、住所や生年月日などの基本データを複数の応募に使い回すことは問題ありません。
志望動機・自己PRが抽象的な内容である
志望動機や自己PRは、応募先で働きたいという熱意や自分をアピールするための重要な項目です。
経験やスキルが不足している応募者でも、優れた志望動機や自己PRによって採用担当者に好印象を与えられることもあるでしょう。
志望動機・自己PRは、自己分析のみでなく企業分析も行い、説得力がある内容に仕上げてください。
抽象的で他の応募者と差別化できないような内容では、採用担当者の心を動かせません。
インターネットで例文などを検索して、参照してもよいでしょう。
関連記事①:履歴書の志望動機の書き方:好印象を与えるコツや例文も紹介
関連記事②:自己PRが書けない原因と対処法を解説:上手にまとめるコツも紹介
ダメな履歴書を避けるためのポイント
自分の履歴書の質を下げないためには、この章で紹介するようなポイントを意識するとよいでしょう。
手書きで作成する場合の注意ポイント
手書きで履歴書を作成する時は、次のポイントを意識してください。
時間に余裕を持って作成する
履歴書を手書きする際には、時間をかけて丁寧な文字を書く・書き損じを書き直すために、多くの時間が必要です。
早めに履歴書作成に取り掛かり、完璧な仕上がりにできるようにしましょう。
丁寧に書く
採用担当者は文字の上手さで採用を決めるわけではありません。
自分の字に自信が持てない方でも、読む相手のことを考えて丁寧に文字を書けば、採用担当者によい印象を与えられるでしょう。
読みやすい字で書くことはもちろん、全体のレイアウトも見やすい履歴書に仕上げるよう意識してください。
書き間違えたら最初から書き直す
履歴書では修正液や修正テープを使用してはいけません。
書き間違えてしまった時には、面倒でも新しい履歴書を用意して最初から書き直してください。
履歴書は、修正や書き損じのない仕上がりにする必要があります。
パソコンで作成する場合の注意ポイント
次に、パソコンで履歴書を作成する際のポイントをまとめました。
文字化けしないようにする
企業名や氏名に旧字体が含まれている場合は、文字化けに注意してください。
履歴書提出前には、データ提出の場合でも印刷して内容を確認し、文字化けしている状態のデータを送らないようにします。
採用担当者が使用する端末次第で、文字化けが起こってしまう可能性もあるため注意が必要です。
文字化けが不安な漢字は文字化けしない漢字に置き換えてもよいでしょう。
履歴書のサイズを確認する
履歴書のサイズが指定されている場合には、企業の指定通りのサイズで履歴書を印刷します。
履歴書はB5サイズ2枚(B4サイズの二つ折り)またはA4サイズ2枚(A3サイズ二つ折り)が一般的なサイズです。
通常、職務経歴書はA4サイズで印刷することから、応募書類のサイズを合わせるためにA4サイズを選ぶ方が多いようです。
メールで提出する際はPDF化する
メールで履歴書を提出する際には、WordやExcelなどのファイル形式ではなくPDFファイルを活用します。
PDFファイルは第三者が修正できず、閲覧環境に左右されないという特徴を持つためです。
Word・Excelで履歴書を作成した場合は、PDFファイルに変換した上で履歴書を提出しましょう。
まとめ
NGな履歴書を提出すれば、採用担当者に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
履歴書提出時には守るべきマナーやルールがあることを知っておいてください。
この記事を参考に、採用担当者に好印象を持たれる履歴書が作れるようになりましょう。
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