転職回数が多くても人生は終わりではありません。
もちろん、短期間で仕事を転々とする短期離職の状態に悪い印象を受ける採用担当者は存在するものの、転職理由が明確な方の転職回数の多さはマイナス評価につながるとは限らないでしょう。
そのため、転職回数を気にして転職を諦めたりチャンスを逃したりすることは、避けるべきです。
今回の記事では、転職回数と転職について分かりやすくまとめました。転職回数が心配だと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
転職回数が多いと人生は終わりを迎えるのか
活論からいうと、転職回数が多くても人生は決して終わりではありません。
ただし、なんとなくの転職や入社する企業全てに不満を感じて職を転々とするような短期離職の状態は、自分のマイナス評価になるでしょう。
「人生が終わる」と感じる原因
転職回数が増えてしまった時に「人生が終わった」と感じる方もいます。
その原因には、日本では「転職回数が多いと今後の転職が不利になる」という考えが根強いためです。
多くの方は転職回数が増えるほど自分の選択肢が狭まり、良い条件の企業から採用されないと思い込んでしまうのです。
ただし、先ほどお伝えしたように、転職回数の多さは必ずしも悪い評価につながるとは限りません。
業界や職種によって変わる
転職回数が採用活動に影響を与えるかどうかは、業界や職種によって異なります。実力主義または人手不足の業界や職種では、待遇アップやスキルアップを希望して転職をすることが一般的です。
人材が企業を選ぶ立場にあると言っても良いでしょう。
具体的には、飲食・福祉・IT・小売・卸売・医療業界では、転職回数よりも応募者の資格やスキルと経験などが重視されています。
キャリアに一貫性がないと不利になる可能性がある
キャリアに一貫性がない転職を繰り返している方は、転職回数が自分のマイナス評価につながる可能性があります。
さまざまな業界や職種を転々としている状態では、採用担当者に「給与がもらえればどこでも良いのでは?」と感じられてしまうためです。
自分のキャリアプランに沿って別のキャリアに進もうと考えている場合は、応募書類や面接時にその理由が伝わるようにしてください。
転職回数が多くても人生は終わりではない理由
ここでは、転職回数が多くても人生が終わりではない理由について説明します。
会社経験値=適応力に評価される
転職をすれば新しい環境に順応しながら仕事を進めなければいけません。企業にはそれぞれ独自の社風や働き方があることから、転職先に順応するには多くの労力が必要でしょう。
転職回数が多い方は、何度も新しい環境に順応して多くの経験を積んでいます。企業はそのような人材を「豊富な知識とノウハウを所持した採用後の活躍が見込める人材」と評価します。
現在ではより多くのナレッジやノウハウを入手する目的で、転職後に別の企業で経験を積み自社に戻る社員を歓迎する企業も増えました。
転職回数を気にしない会社も多い
日本では一昔前まで転職回数がマイナス評価に直結する企業が多かったものの、現在は転職回数を気にしない企業が増えています。
社会的に業務効率化が求められる今、他社から有益なナレッジやノウハウを持った社員を迎えることは、企業にとってプラスに働くと考えられているのです。
業界によっては、転職回数をカウントすらしない場合もあります。
転職回数が多い=優秀な人材の場合もある
スキルアップや年収・待遇向上を希望して転職活動をしている方や転職経験がある方の多くは優秀な人材です。
転職のたびにキャリアを高めている方は、自分の市場価値を理解した上で自分に適した仕事をするために行動出来る人材だと言えるでしょう。
さらに転職回数は、これまでそれだけ多くの企業から有能であり必要だと認められた証でもあります。
転職回数を気にするのは日本だけ
海外の大半の企業では昔から終身雇用制度を用意しておらず、転職回数が多い人材をマイナス評価することはありません。
転職は悪いという考えがなく、3年に1回程度・10回以上の転職を繰り返すことが一般的です。
そもそも転職回数に注視する日本の方が、世界的に見て珍しいと考えて良いでしょう。
転職回数を気にしない業界も多い
転職回数を気にしない代表的な業界は次の通りです。
・宿泊業
・飲食業
・生活関連サービスや娯楽業
このような業界は経験やスキルが重要視され、人材の入れ替わりも激しいという特徴があります。また、医療や福祉の現場では転職回数よりも資格と経験が優遇される場合が多いでしょう。
さらに外資系の企業は日本とは異なる基準で採用活動が進められる場合が多く、転職回数が注視されにくいです。
転職回数が多い人の特徴
転職回数が多い方には、次のような特徴があります。自分に当てはまる点があるのなら、転職に対する意識の見直しも考えるべきでしょう。
キャリアアップや年収アップを目標にしている
キャリアアップや年収アップを目的として転職をするのは悪いことではありません。戦略的な転職は自分のキャリアをより良いものに変えていくでしょう。
ただし闇雲に目先の要素に飛びつくのではなく、長期的な自分のキャリアプランを明確にした上で、キャリアプランに沿った転職が出来るようにしてください。
キャリアプランの方向性がブレると、目標が曖昧になってしまいます。
転職エージェント頼りに行動している
転職エージェントを活用して転職活動を進めれば、効率良く転職がかなえられます。
しかし、転職エージェントから紹介された企業に対してなんの考えもなく応募するような状態では、自分の理想とは違った結果になる可能性があるででしょう。
転職エージェントに頼りすぎず、自分でも応募予定の企業をリサーチした上で、自分のキャリアプランに適した転職かをしっかり考えてから転職活動を進めてください。
自分を求める働き方を理解していない
自己分析が不足した状態で転職活動を実施すると、本当は自分が何をしたかったのか?自分の得意分野や苦手分野は何か?などを把握しないまま応募先を探してしまい、転職先の業務に適応できない可能性があります。
転職活動を開始する前には、最低でも以下の点を明らかにすることをおすすめします。
・自分は将来どうなりたいのか
・自分が求める条件は何か
・自分がやりがいを感じる・得意とする業務は何か
・自分が苦手と感じる業務は何か
可能な限り明確なキャリアプランを用意し、転職の目的を自分自身で再確認してください。
転職回数が多くても転職を成功させる方法
転職回数に注視しない業界や職種もあるとお伝えしましたが、転職回数を機にする企業が存在することも事実です。
転職回数が多い方は、転職回数の多さがマイナス評価につながらないように、次のようなポイントを知っておいてください。
履歴書・職務経歴書書き方
転職回数が多い方は、履歴書や職務経歴書の書き方に注意します。
これまでの転職が同じ職種である場合には、自分の経験やスキルを強調すると良いでしょう。いくつもの職種を経験している方は、それぞれの職種の経験を書くのみでなく全ての職種に共通したスキルや経験を洗い出して書き出します。
例えば、事務職から営業職に転職を希望する場合、どちらの職種でも重要視されるコミュニケーションスキルや進行管理能力などを、実績を踏まえて説明してください。
特に応募先で求められるスキルや経験を強調することが大切です。
面接での受け答え
面接のステップまで採用活動が進んでいる場合は、採用担当者は応募者の転職回数も把握した上で採用を検討している段階です。
そのため転職回数の多さを不利と考えず、これまで自分が積み重ねてきた経験やスキルをアピールできるようにしましょう。
実際には転職理由がネガティブな内容であったとしても、ポジティブなものに言い換えます。決して前職や現職の悪口を言ってはいけません。
まとめ
転職回数が多くても人生が終わるわけではありません。転職回数を気にしない業界や職種が多いことを知っておきましょう。
また、転職回数の多さは経験やスキルの量でカバーできます。この記事を参考に転職回数をマイナス評価につなげず、プラスの印象が与えられる応募書類の書き方や面接での話し方を考えておいてください。