志望動機は、採用担当者に「御社で働きたい理由」を伝える重要な役割を持ちます。
そのため、志望動機が分かりにくい履歴書は、採用担当者に与える印象が悪くなる・印象が薄くなる可能性があるのです。
今回の記事では、履歴書の志望動機の書き方や例文をまとめました。
志望動機の作成に苦手意識がある方は、ぜひ参考にしてください。
採用担当者が志望動機から知りたいこと
採用担当者は履歴書の志望動機を通して、応募者の人間性・目標・就業に対しての熱意などを知りたいと考えています。
多くの応募者は複数の企業に応募しています。
そのため、自社が第一志望ではないまたは自社で働く意欲が低い社員を採用すると、短期間で辞められてしまう恐れがあるのです。
採用活動や新入社員の教育には、多くのコストや労力がかかります。
採用後に社員が短期間で辞めてしまうような事態は、企業にとって大きな損失だといえるでしょう。
また、企業にはそれぞれ独自の社風や企業風土があります。
採用担当者は、自社に合う人材かどうかも志望動機を通して知りたいと考えています。
企業の方向性と別の考え方をする社員は、就業への熱意が強いとしても企業にミスマッチだといえます。
ミスマッチな人材を採用した場合も、短期間で辞められてしまう恐れがあるのです。
上記の採用担当者が知りたいことを理解して、志望動機を作成することが好印象を与えるポイントとなるでしょう。
好印象を与える志望動機を書くためのポイント
採用担当者に好印象を与える志望動機を書きたいと考えている方は、以下のポイントを意識してください。
押さえるべきポイントを知っていれば、志望度の高さや自分が応募先に適した人材であることをアピールできるでしょう。
応募先企業を入念にリサーチする
応募先が求めている人材を知るためには、応募先企業を入念にリサーチすることが大切です。
例えば、「安定志向でコツコツと正確に進められる人材」「チャレンジ精神旺盛で新しいアイデアを生める人材」など、応募先が求める人材は企業ごとに異なります。
また、採用担当者は、入念なリサーチが済まされた志望動機を見て「自社への応募の熱意が高い」と感じるものです。
応募先のリサーチは、業界・企業・仕事内容の3つの視点から進めてください。
業界:応募先の業界のトレンドや傾向を調べる
企業:企業理念・企業の沿革・社風を調べる
仕事内容:応募する職種の業務内容・企業が力を入れていることなどを調べる
リサーチの結果に基づき、自分が企業の求める人材であるという点をアピールできるようにしましょう。
企業と自分の強みを結びつける
志望動機では、自分の強みを自然な形でアピールする目的で、企業と自分の強みを結びつけます。
応募先のリサーチは多くの応募者が取り組んでいるため、応募先の特徴についてのみ話を進めても、採用担当者に自分の強みをアピールできません。
そこで、応募先が目指すもの・力を入れていることと自分の強みを結びつければ、採用担当者に自分が応募先で活躍できる人材だと伝えられるのです。
特に異業種への転職の場合には、これまでの業務で得た実績のみでなく、自分の所持しているスキルが応募職種でも役立てる点を説明するようにしましょう。
面接を想定して内容をまとめる
書類選考を通過すれば、面接の場で志望動機を説明することになります。そのため、志望動機は初めから面接を想定しておいてください。
中には、履歴書の志望動機を200文字程度にまとめるのが難しいと感じる方もいることでしょう。
あらかじめ、面接用に長めの志望動機を用意し、その中から強調したいポイントを履歴書の志望動機にまとめるとよいでしょう。
手書きの場合、字は丁寧に書く
手書きで履歴書を書く場合には、丁寧に気持ちを込めて文字を書くようにしてください。
特に、志望動機欄は自由記入方式で文字のバランスが取りにくいため、鉛筆で下書きをした上でバランス良く書くことを意識してください。
文字が小さ過ぎたり、枠からはみ出したりすると、自信がなさそう・ルールを守れなさそうという悪い印象を与える可能性があります。
履歴書の志望動機欄に美しく文字をまとめるためには、履歴書を手書きする前に、パソコンやメモを活用して文章を何度も校正することが大切です。
履歴書の志望動機の書き方
この章では、具体的な履歴書の志望動機の書き方をまとめました。
以下のような流れで志望動機を書き進めれば、文章がまとめやすく読む相手に伝わりやすい内容になるでしょう。
①志望理由から書き始める
志望動機の書き出しでは、自分がなぜ応募先で働きたいと考えたのかという事実を明らかにします。
事前に企業リサーチをして得た情報から、企業理念や力を入れているポイントを理解し、応募先に魅力を感じた理由をまとめていきます。
志望理由は曖昧なものや同業他社にも共通する内容ではなく、より具体的で「応募先のみに感じる魅力」をピックアップするべきでしょう。
それは、志望理由が明確であるほど、読む相手が納得できる志望動機に仕上がるためです。
また、志望理由を志望動機の先に記載する文章は「結論先行」スタイルの文章です。
志望動機の結論を最初に配置することで、採用担当者に伝わりやすい文章になります。
結論先行型の文章は、ビジネスの場でも多く活用されています。
②志望理由を裏付ける根拠を述べる
応募先を志望した理由を明らかにした後に、その根拠や詳細を説明します。結論を伝えてから理由を説明する流れだと考えてください。
例えば「以前から〇〇分野に興味があり、〇〇業界で仕事をしたいと考えていました」「(応募先の商材)は子どもの頃から愛用しており、(応募先の商材)をより多くの人に知ってほしいと考えていました」などが具体的な説明になります。
また、同業他社ではなく応募先を選択した理由も明らかにしてください。
ここまでの流れで、応募先の特徴を十分リサーチしている姿勢もアピールできれば、採用担当者により好印象を与えられるでしょう。
③応募先企業にどう貢献できるかを書く
応募先を志望した理由と詳細をまとめた後は、自分が応募先でどのように活躍したいと考えているのかを書いていきます。
自己分析をした上で、自分の強みが応募先で活かせることをアピールします。
自分の強みが採用担当者に伝わらなければ、「志望度は高いが役に立つか分からない」「自社で活躍できるか分からない」人材だと判断されてしまう可能性があります。
ただしこの際、自分の強みのみをアピールするのではなく、応募先で働きたいと考えている理由と自分の強みを結びつけながら話を進めることが大切です。
好印象な志望動機の例文
最後に、採用担当者によい印象を与えられる志望動機の例文をまとめました。
自分に適した例文を参考に、質の高い志望動機を作成できるようにしましょう。
例文1:アルバイト・パートの場合
アルバイト・パートの履歴書の志望動機では、希望の働き方や仕事をする目的を明らかにしましょう。
また前職の経歴だけでなく、家事や育児などの日常生活で得た知識や経験をアピールするのも効果的です。
ここでは、ブランクがある主婦がスーパーのパートに応募する場合の例文を紹介します。
【パートの志望動機例文】 出産前までは〇〇株式会社〇〇店にて接客業務をしていた経験が10年あります。 |
例文2:新卒の場合
新卒の方の履歴書の志望動機では、在学中の経験や自分が考えている将来像についてまとめるとよいでしょう。
ここでは、新卒の学生が営業職に応募する場合の例文を紹介します。
【新卒の志望動機例文】 一人ひとりのお客様のニーズに応えられる営業の仕事に魅力を感じ、貴社を志望します。 |
例文3:同業他社へ転職する場合
同業他社への転職では、これまでの経験や実績をアピールできる志望動機を考え、自分が即戦力になれることを採用担当者に伝えてください。
ここでは、営業職から営業職に転職する場合の志望動機を紹介します。
【同業他社へ転職する場合の志望動機例文】 貴社の求人を拝見し、その評価制度や土地の活用を含む幅広い不動産関連業務に力を入れているという点に、大変魅力を感じています。 |
例文4:異業種へ転職する場合
異業種への転職の場合には、応募先でも活かせる自分の経験やスキルをアピールする志望動機を考えることが大切です。
今回は、販売職から経理職に転職する場合の志望動機を紹介します。
【異業種へ転職する場合の志望動機例文】 貴社の求人募集で業界未経験も採用しフレッシュな人材を求めているという点に魅力を感じ、志望しました。 |
履歴書の志望動機の書き方については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
履歴書の志望動機は、採用担当者に応募に対する熱意や自分の強みを伝える重要な項目です。
志望動機で十分なアピールができれば、採用担当者によい印象を与えられでしょう。
この記事を参考に、好印象を与えられる志望動機を作成してください。