自己PRが書けない原因と対処法を解説:上手にまとめるコツも紹介

履歴書や職務経歴書の自己PRは、自分の強みをアピールして、自分がどのような人材であるかを採用担当者に知ってもらうためにあります。

しかし、自分の強みやアピールポイントが何なのかを考えられない方も多いようです。

今回の記事では、就活や転職活動で作成する履歴書の自己PRの書き方について詳しく説明します。これから履歴書を書く方は、ぜひ参考にしてください。

自己PRが書けない原因

自己PRが書けない原因には、次のようなものが挙げられます。まずは、自分が自己PRを考えられない原因を知りましょう。

特別なエピソードを書かなければならないと考えている

自己PRに「他の応募者とは違う特別なエピソードを書かなければいけない」と考えてしまうと、なかなか適切なエピソードが浮かばなくなってしまうでしょう。

自己PRでアピールするべきポイントは、特別なエピソードではなく、自分がどのような人物か伝えることです。

採用担当者は驚かされるようなエピソードよりも、応募者が自社に適した人材かどうかを知りたいと考えています。

企業が知りたいことを理解していない

企業は履歴書の自己PRを通して、採用後に応募者が自社にどのような影響を及ぼすか・応募者が成長し続けられる人材かなどを知りたいと考えています。

また、企業の意図を理解して自己PRで企業が求める答えを提示すれば、企業と応募者の間にミスマッチが生まれる問題も予防できます。

自己PRを書く時には、上記のような企業が何を知りたがっていることを意識しましょう。

自分の長所を把握していない

自己分析が不足していて、自分の長所・短所が明確になっていない場合も、自己PRが書けないものです。

自分の長所を知らないままでは、何をアピールすればよいのか分からなくなってしまいます。

自分が得意とすること・これまで努力してきたこと・達成感を得られることは何かなどを考えながら、自分の強みを探ってみましょう。

実務経験がないためアピールできることがないと思い込んでいる

新卒の方や異業種・異職種に転職する際に、実務経験がないため何もアピールできないと感じる方もいるようです。

しかし、未経験者の応募を許可していない求人以外では、これまでの実務経験が必ずしも重視されるとは限りません。

前職・学生時代の自分の経験も、応募先でどのように活用できるか考えてみましょう。

自己PRが書けない時の対処法

履歴書の自己PRが書けずに悩んでいる方は、次の対処法を試してみてください。

魅力的な自己PRが書けるようになると、採用担当者の記憶に残る履歴書が作れるでしょう。

対処法① 経験・キャリアを洗い出す

自己PRが書けない時には、最初にこれまでの自分の経験・キャリアを洗い出しましょう。

応募先とは異業種・異職種の経験の中にも、応募先で活かせる経験やスキルがあるものです。

応募先にアピールできる経験を書きだし、具体的なエピソードを織り交ぜながら文章を作っていくとよいでしょう。

過去の成功体験だけでなく、失敗から学んだこと・乗り越えたことを書くという手もあります。
失敗体験を自己PRで説明する際には、「どのように困難を乗り越えたのか」「失敗から何を学んだのか」を具体的に明らかにしてください。

また、前職の中から適した経験が見つからない時には、学生時代や幼少期まで遡っても構いません。

ただし、アピールする内容は一貫性があるものにしましょう

対処法② 洗い出した経験から自分の強みを見つける

洗い出した経験の中から、共通点を見つけて、自分の強みを探し出すことも自己PRを書く際に役立つでしょう。

例えば、「前職で困難にぶつかった際、試行錯誤を繰り返して問題を解決した」という経験は「困難な環境でも、前向きに粘り強く取り組める」という強みとしてアピールできます。

さらに、その強みが応募先でどのように活用できるかも自己PRとして伝えられると説得力が増します。

また、自分の強みを見つけることが難しいと感じる方は、インターネットのサービスを活用して適正診断・適職診断をしてみてもよいでしょう。

対処法③ 短所を長所として言い換える

自分の短所を長所に言い換えると、自己PRで使えるアピールポイントになります。

例えば「せっかちで慌てん坊」な短所は、「スピード感を持って行動できる」「取り掛かりが早い」という長所になります。

自分の長所はなかなか思い浮かばないものの、短所は把握できているという方は多いようです。
短所は長所に言い換えられることを、是非知っておいてください。

短所を長所に言い換えられる事実を知っていれば、「自分にはアピールできるような長所がない」と悩む必要はなくなるでしょう。

対処法④ 企業が求める人物像を参考にする

多くの企業はホームページや求人ページで、自社が求める人材の人物像を明らかにしています。

企業が求める人物像を意識した自己PRをすれば、採用担当者から魅力的な人材だと感じてもらいやすくなるでしょう。

ただし、自分を偽ることはよくありません。

企業が求める人材と自分の強みの共通点を探って、マッチしたポイントを自己PRの要素に取り入れましょう。

対処法⑤ 身近な人から見た自分を知る

自分のことを客観視することは難しいものです。
家族や友人などの身近な人に自分の強みを聞いてみると、自分では思いつかなかったポイントを知ることができるでしょう。

例えば、「あなたは友達が多い」と言われれば「コミュニケーションスキルが高い」というアピールポイントに、「何をするのも丁寧」と言われれば「正確に仕事をこなせる」というアピールポイントに繋がります。

また、他者から見た自分の印象を把握できれば、面接時の戦略も練りやすくなるでしょう。

履歴書の自己PRをまとめるコツ

履歴書の自己PRでは、限られたスペースを活用して簡潔かつ分かりやすい文章を作成しなければいけません。

この章では、履歴書の自己PRをまとめるコツについて説明します。

①結論から伝える

ビジネス文書の基本でもありますが、履歴書の自己PRは結論から書くようにしてください

具体的には、「私は困難な状態でも前向きに粘り強く取り組み、成果につなげられる人間です。」のように「私は〇〇です。」と言い切ることが大切です。

結論が最初に述べられることで、採用担当者は応募者が何を言いたいのか理解した上で、自己PRを読み進められるでしょう。

②具体的なエピソードを書く

結論を書いた後は、具体的なエピソードを書いて、結論の信憑性を高めます。

先ほどの例で言えば、「前職では改善が難しいと言われていた〇〇業務の課題を見つけ出し、システム〇〇の導入により全体のトラブル発生率を20%削減させました。」などが、具体的なエピソードになります。

また、結論の根拠となるエピソードでは、可能な限り数値的な表現をしてください。

「トラブル発生率を減らしました」よりも「トラブル発生率を20%削減しました」の方が、より具体的で信憑性が高まるためです。

③入社後にどのように活かすかを書く

結論・根拠を書いた後は、自分の強みをどのように応募先で活かしていくのかを明らかにしましょう。

このステップを加えることで、採用担当者は応募者が入社後に活躍する姿をイメージしやすくなります。

応募先が求める人材が分かっている場合には、自分の強みとマッチするポイントを意識しながら入社後の目標を書くとよいでしょう。

【自己PRが書けない人向け】例文を紹介

自己PRが書けないと悩んでいる方は、例文を参考にして自分のアピールポイントを考えるという手段もあります。

例文をそのまま書き写してはいけませんが、アレンジを加えて自分の言葉で言い換えれば、伝わりやすい自己PRを作成できるでしょう。

新卒向けの自己PR例文

私は、学生生活でリーダーシップを発揮した経験があります。
大学時代は水泳部に所属し、30人以上の部員をまとめるリーダーを担当していました。
部の中には、長い水泳経験がある部員から初心者までがおり、それぞれに最適な練習を提案することが大切だと考えました。
私は部員ごとのレベルを把握してチームをレベル分けし、それぞれの部員に適したレベルのレッスンを行う練習プランを作りました。
結果的に、私がリーダーになってから退部者はおらず、部員の30%が地域の水泳大会で入賞しました。
御社に入社後には、この経験を活かしてチーム全体がモチベーションを高めながら働ける仕組みを作り、会社の成長に貢献したいです。

転職社向けの自己PR例文

私の強みは、課題を発見する力と分析力です。
前職では食品メーカーの営業として、スーパーマーケットを対象とした営業活動を行ってきました。
営業の際には自社商品を案内するのみでなく、各店舗の利用者層・売れ筋を分析した販売戦略を提案し、担当店舗の売上を120%〜150%まで向上させることを成功させました。私自身、経営改善の提案によりお客様の力になれる仕事にやりがいを感じています。
御社に入社後には、過去の経験を活かして的確な分析・課題を見つけながら、これまでにない提案をしていきたいと考えています。

まとめ

履歴書の自己PRは、応募先に自分の強み・アピールポイントを伝えるための重要な項目です。

採用担当者は自己PRを確認して、応募者の人柄や自社で活躍できる人材がどうかを見極めています。

自己PRが思い浮かばないという方は、自分の経験を洗い出し自己分析をした上で、応募先が求める人材とマッチする部分を見つけてみましょう。

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