履歴書は選考結果を左右する重要な応募書類です。
そのため、履歴書の内容はもちろん、仕上がりの印象にも十分注意しなければいけません。
履歴書に用意された枠内に文字を収めることは、履歴書作成時に必ず守るべきマナーの1つです。
今回の記事では、履歴書の文字が枠からはみ出してはいけない理由と、枠内に文字を収めるポイントや対処方法をまとめました。
これから履歴書を手書きで作成しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
履歴書は枠からはみ出してはいけない理由
履歴書が枠からはみ出してはいけない理由には、次のようなものがあります。
読みにくいため
履歴書の枠からはみ出して枠に被ってしまった文字は、線が文章の邪魔をして読みにくくなります。
採用担当者は1日に何通もの履歴書に目を通す必要があるため、読みにくい履歴書はじっくり読んでもらえない可能性が高まります。
また、無理に文字を詰めて枠内に収めようと文字のサイズを途中で変更するのもよくありません。
読む相手のことを考え、読みやすい書類を作成する能力は、企業に存在する多くの業務で求められます。
そのため、読みやすく綺麗な履歴書を作成することは、社会人としてのマナーともいえるでしょう。
ルールが守れないと思われるため
履歴書の枠に文字を収めるという書類の決まりを守れない人間は、採用担当者に「組織のルールが守れない」「協調性がない行動をとる」と思われる可能性があります。
企業で社員は定められたルールに従って仕事を進めなければいけません。そのため、ルールが守れない人材は採用されづらいと考えてよいでしょう。
応募先から指定されたルールを守って応募書類を提出する行為と同じく、履歴書の枠内に文字を収めることも守るべきルールと理解してください。
文章をまとめる力が足りないと思われるため
設定されたスペースに自分の書きたいことがまとめられない方は、文章をまとめる能力が不足しているという印象を持たれます。
ビジネスの現場では、メール作成・資料作成・書類提出などさまざまなシーンで文章を作成しなければいけません。
特に、社外の相手や顧客に提出する書類の文章は、より分かりやすくまとめられていることが求められます。
そのため、文章をまとめられない社員は、ビジネスチャンスを逃す恐れがあるのです。
履歴書では、応募者の文章作成能力も見定められていると考えてよいでしょう。
枠からはみ出してしまった場合はどうする?
履歴書作成中に、文字が枠からはみ出してしまった時には、どうすればよいのでしょうか?
この章では、履歴書の文字を枠内に収められなかった時の対処法をまとめました。
①新しい履歴書用紙に書き直す
履歴書の枠に文字がはみ出してしまった時には、新しい履歴書に一から書き直すことをおすすめします。
履歴書は自分の印象を左右する重要な役割を持ちます。
枠からはみ出した文字を放置する時の「少しくらい良いや」「誰も気づかないだろう」という適当な気持ちが、採用担当者に見抜かれてしまう恐れがあるのです。
履歴書のような重要な書類を完璧な状態に仕上げられない人材には、入社後にも同様の問題を起こすリスクが潜んでいると考えられやすいでしょう。
些細なはみ出しも選考に影響を与える可能性を考え、心から満足できる仕上がりの履歴書を作成してください。
②枠内に収まるようにまとめ直す
履歴書の文章が枠内に収められず履歴書を書き直す際には、再度文字がはみ出すようなことがないように内容を簡潔にまとめてください。
まず、「不要な箇所はないか」「より簡潔に表現する方法はないか」を考えます。そして、一番伝えたいことに要点を絞ります。
履歴書の内容を変更しないまま文字だけを小さくしたり細くしたりすると、読みにくくなるため避けてください。
何度も履歴書を書き直す手間を省くためにも、履歴書を書き直す前には問題点を改善し、内容をまとめておきましょう。
③下書きをする
履歴書を鉛筆で下書きをし、全体のバランスや誤字脱字がない状態に仕上げてから、ボールペンで清書をしましょう。
そうすれば、文字が枠からはみ出してしまう問題は起こりません。
下書きを手間と感じる方もいるようですが、ボールペンで書き損じをして何度も履歴書を書き直すよりも効率的だと考えるべきです。
下書きの段階で枠からはみ出してしまう場合は、文章内容や文字サイズを再度見直しましょう。
なお、履歴書の下書きの際には、強く書き過ぎない・消しゴムで履歴書用紙を汚さないようにする・下書きを綺麗に全て消し去るなどの点に注意してください。
下書きが残っている状態で履歴書を提出してはいけません。
履歴書の書き方や記入ミスの対策については、こちらの記事で詳しくまとめています。履歴書の手書き作業に苦手意識がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
【項目別】枠からはみ出さないためのポイント
履歴書の文字を枠からはみ出さないようにするためには、以下のポイントを意識してください。
項目ごとの書き方のポイントを知っておけば、美しい履歴書が作成できるでしょう。
証明写真
履歴書の証明写真も、文字と同じように履歴書の枠内に収めるべきものです。
文章のみでなく細部まで履歴書の完成度をチェックする採用担当者もいるため、証明写真の貼り付けでも気を抜かないことが大切です。
証明写真はピッタリ枠内に収まるサイズに切り、厚みがない両面テープで貼り付けます。厚手の両面テープを使用すると、証明写真が浮いてしまう可能性があるため避けましょう。
証明写真をノリで貼り付ける場合は、ノリが証明写真からはみ出さないように丁寧に貼付してください。
一度貼った証明写真を貼り直しすると、履歴書が汚れたり証明写真にシワが入ったりする場合があります。
貼り直しの形跡がある証明写真は「使い回しなのでは?」と感じられることから、証明写真は貼り直さないように慎重に貼るべきでしょう。
住所欄
住所欄は、自分の住所の文字数に合わせてバランスを取りながら書き込みます。
住所は建物名を省略せず、正式名称で記入する必要があります。
枠からはみ出さないようにするだけでなく、文字の大きさを住所欄の枠内全体で合わせるように意識してください。
学歴・職歴欄
学歴・職歴欄に記入する学校名や企業名は正式名称でなければいけません。高校は高等学校、株式会社や有限会社も略語を使用しないでください。
学校名や会社名が長く、一行に全ての文字が入りきれない場合は二行に改行して記入します。
職歴が多く詳細まで書き込めない方は、職務経歴書を活用したり、学歴を中学校卒業からではなく高校入学から書き始めたりする工夫が必要です。
免許・資格欄
履歴書の免許・資格欄は、学歴・職歴欄と同じように正式名称で書かなければいけません。
そのため、免許や資格の正式名称が一行に収まらない場合は二行にして記入します。
所持している免許や資格が多く、履歴書に書ききれない場合は、応募先の企業の業務に関連する免許・資格を優先して書いてください。
志望動機・自己PR欄
志望動機・自己PR欄は、内容を精査し、簡潔かつ分かりやすくまとめた上で履歴書の枠内に収めます。
初めから履歴書に書き込むのではなく、パソコンで何度か校正と推敲をしておくとよいでしょう。
また志望動機・自己PR欄はフリースペースになっている場合も多いため、下書きの段階で鉛筆の線を引くと、真っ直ぐ美しく文章を書けます。
志望動機で入社に向けての意気込みや情熱を表現したいという方も、履歴書の枠からはみ出さないように気をつけましょう。
履歴書の枠からはみ出さない文字の大きさ
履歴書の枠からはみ出さない文字の大きさは項目ごとに異なります。
この章では、履歴書に適した文字の大きさについて解説します。
氏名や住所欄
履歴書の氏名や住所欄は、比較的文字数が少なく大きな枠が設けられているため、1cm程度のサイズの文字が適しています。
履歴書の文字は枠内に収めるべきものですが、枠に対して小さ過ぎるのもよくありません。
余白が多く小さな文字で書かれた履歴書は、採用担当者に「自信がなさそう」「弱々しい」印象を与えてしまうためです。
ただし、住所欄については建物名がある場合には、枠内に収めにくい傾向があります。そのため、自宅の住所の文字数に合わせて文字サイズを調整しましょう。
学歴や資格欄
学歴や資格欄は0.5〜0.7cm程度のサイズの文字で書いていきます。
手書きの履歴書で文字サイズを統一することは難しいため、枠の高さの8〜9割を意識するとよいでしょう。
また、文字を美しく見せるためには、画数が多い字を大きめに書くとバランスが取りやすくなります。具体的に、漢字を100%としてカタカナを80%、ひらがなを70%程度のサイズが、美しく見える黄金比といわれています。
漢字・カタカナ・ひらがなの文字のバランスが取りにくいと感じている方は、履歴書以外の用紙で何度か練習しておきましょう。
志望動機・自己PR欄
字数指定がない場合の志望動機・自己PR欄は、200〜300文字程度で作成し、1行を35〜40文字で書いていきます。
これ以上の文字数になると、枠内に収めるために字を小さく書かなければならず、採用担当者に読みにくい印象を与える可能性があります。
適した文字の大きさは、選択する履歴書の様式により異なるものの、一般的には0.5〜0.7cm程度のサイズが適しています。
志望動機や自己PRは、履歴書の中で最も文字のバランスが取りにくい項目です。
そのため、履歴書の下書きをした後にボールペンで清書することをおすすめします。
また事前に、他の用紙で、文字サイズと文字のバランスを意識しながら書く練習をしましょう。
まとめ
履歴書の文字は枠内に収め、枠からはみ出してしまうことがないようにしてください。
履歴書の枠から文字がはみ出している状態では、採用担当者に「読みにくい」「ルールが守れていない」「文章をまとめる能力が低い」と感じられる恐れがあります。
履歴書は、自分の印象を左右する重要な書類であると考え、文字が枠からはみ出してしまった場合は書き直しをするべきです。
書き直しの際には、内容の見直しや下書きをしてから、履歴書を仕上げるようにしてください。
この記事を参考に、全体のバランスが整った美しい仕上がりの履歴書を作成できるようになりましょう。美しい履歴書は、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。