少し前までは履歴書は手書きで作成することが一般的でしたが、今ではオンラインでの応募書類提出が通常になってきています。そのため、手書きではなく、パソコンを使用した履歴書作成を選択する方も増えました。
履歴書作成で最も重要なポイントは、「採用担当者への印象」です。これから履歴書を作ろうとしている方の多くは、手書きとパソコンのどちらの方が、採用に有利であるかを知りたいと考えていることでしょう。
今回の記事では、履歴書作成は手書きとパソコンのどちらが有利なのか?さらに、それぞれのメリット・デメリットについて詳しくまとめました。履歴書の作成方法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
履歴書は「手書き」と「パソコン」どちらが有利?
履歴書を「手書きするべきか」「パソコンで作るべきか」について、多くの方が答えを求めています。履歴書の作成方法が、採用担当者の評価を左右することはあるのでしょうか。それぞれの場合の評価について解説します。
「手書き」と「パソコン」の企業の評価
結論から言えば、履歴書は手書きかパソコン作成かの違いで評価されません。そのため、自分で作成方法を選択すると良いでしょう。
それでも、手書きとパソコン作成の履歴書では、個人的な印象が変わることはあります。「手書きの方が丁寧な印象になるかもしれない」「パソコンの方がパソコンスキルをアピール出来るかもしれない」と考えるのなら、自分の考えに沿った履歴書の作成方法を選んでください。
ただし最も重要な点は、履歴書の作成方法ではなく内容です。作成方法にこだわるよりも、自分のアピールポイントや効果的な志望動機を考える方に力を入れるべきです。
手書きを好む企業もある
履歴書の作成方法が手書きかパソコンかの違いは採用の有無に影響を与えないとお伝えしましたが、中には手書きを好む企業もあります。
具体的には、仕事で文書を手書きする業務が存在する企業や人との関わりに重きを置いている企業、または創業年数が長い企業の中には「履歴書は手書きであるべきだ」と考える採用担当者もいるのです。
そのため、履歴書の作成方法は応募先の風土に合わせて決めるべきでしょう。履歴書を手書きで作成した方が良いケースは、以下の条件を参考にしてください。
・社員の年齢層が高い企業
・手書きの業務が存在することが予想出来る業種
・パソコンをあまり使用しない業界
・多くの学生が応募することが予測可能な求人
具体的には、教育業界・歴史がある日系企業・官公庁業界・金融業界などに応募する際には、履歴書の手書き作成をおすすめします。そもそも応募する企業が少ないのであれば、履歴書を手書きで作成すると良いでしょう。
「手書き」で履歴書作成した際のメリット
履歴書の手書きには「手間がかかる」「効率が悪い」という印象が強いものの、手書きの履歴書作成には、次のようなメリットがあります。
丁寧さや人柄をアピールできる
手書きの文字には人柄が出るものです。そのため、パソコンで作成した履歴書よりも採用担当者に伝えられる情報が多いと考えてよいでしょう。丁寧かつ読みやすさを意識して書かれた文字は、相手に良い印象を与えられます。
ただし、手書きの履歴書であっても汚い文字で走り書きしたような仕上がりでは、マイナスの評価になる可能性があるでしょう。手書きの履歴書のメリットを活かすためには、丁寧に時間をかけて履歴書を作成したことが相手に伝わる仕上がりにしなければいけません。
企業によっては好印象
パソコンの履歴書作成が一般的になった今でも、手書きの履歴書の方が良い印象だと感じる採用担当者もいます。なぜなら、手書きの履歴書作成には多くの手間と時間がかかるためです。
しかし、応募先で働きたいという気持ちが強いのであれば、履歴書作成にかける時間は惜しくないはずです。時間をかけて仕上げられた履歴書は、採用担当者に「貴社への勤務を強く希望している」という意欲をアピールできると考えていいでしょう。
迷ったら手書きを選べば問題ない
手書きの履歴書かパソコンの履歴書か迷っている時には、手書きの履歴書を選択してください。それは、これまで説明したように手書きの履歴書に好印象を持つ採用担当者が存在するのに対して、手書きの履歴書に悪い印象を持つ採用担当者はいないと考えられるためです。
応募先に手書きの履歴書にこだわりを持つ採用担当者がいる可能性を考えると、履歴書を手書きすることがリスク回避につながるといえるでしょう。
「手書き」で履歴書作成した際のデメリット
手書きの履歴書作成には次のようなデメリットも存在します。手書きの履歴書作成を「面倒だ」と感じる人が多いのは、それらのデメリットが原因であると考えられます。
ミスすると書き直しになる
履歴書は他人が修正を加えてはいけない重要な書類であり、修正液や修正テープが使用出来ません。また、訂正印の使用も好ましくないとされています。
そのため、書き損じがあると初めから履歴書を書き直すという非常に非効率な状態に陥ります。何十分も時間をかけて書き進めた履歴書も、最後の項目でミスをすると全て書き直しになるのです。
購入から印刷など事前準備が必要
手書きの履歴書を作成する際には、「履歴書を購入する」「フォーマットをダウンロードして印刷する」などの手間がかかります。
自宅にプリンターがない場合は、履歴書を購入しに外出しなければいけません。
応募締め切りまで余裕がない場合には、手書きの履歴書作成のハードルは高いと考えてください。
上手な字が書けない場合、担当者が読みづらくなる
努力しても読みやすい文字が書けない人は、読みにくい仕上がりの履歴書を作成してしまう可能性があります。
一般的には文字が美しいものでなくても丁寧に書かれていれば問題ないと言われています。しかしながら、どうしても他人が読みやすい文字が書けない方は、パソコンの活用も考えるべきでしょう。
「パソコン」で履歴書作成した際のメリット
パソコンで履歴書を作成すると、次のようなメリットが得られます。パソコンの履歴書作成では、手書きの履歴書作成のデメリットがクリアできると考えていいでしょう。
修正ができる
パソコンでの履歴書作成では、手書きの履歴書のように初めから書き直すことなくミスを修正できます。そのため、履歴書を修正する時間と手間を減らせます。
効率がいい
パソコンで履歴書を作る場合には、書き損じによる書き直しがないことだけでなく、履歴書の内容を他の企業への応募にも活用出来るというメリットがあります。
志望動機や自己PRは企業ごとに変更するべきですが、学歴や職歴などの情報は何度も活用可能です。
そのため、複数の企業に応募をする方でも効率良く履歴書作成が進められます。
パソコンスキルをアピールできる
大半の業務がデジタル化されている今では、どの企業も応募者に一定のパソコンスキルが必要だと考えています。パソコンを使用して履歴書作成が出来る方は、ある程度のパソコンスキルは持ち合わせているという事実を履歴書でアピール可能です。
特に改行や箇条書きなどを上手く使いこなし、読みやすく仕上がっている履歴書は採用担当者に良い印象を与えます。
データ送付ができる
一部の企業では、応募書類を郵送ではなくデータで送るように指示しています。パソコンで作成した履歴書はもとからデータ化されているため、スムーズに履歴書を提出できます。
一方、手書きの履歴書をデータ送付する場合は、スキャナで読み込む作業が必要となります。
「パソコン」で履歴書作成した際のデメリット
パソコンであれば、効率良く履歴書を作成出来ますが、パソコンの履歴書作成には次のようなデメリットがある点も知っておいてください。
修正し忘れのミスが起きやすい
パソコンの履歴書は「簡単に修正できる」という点が悪く作用し、修正し忘れのミスが起こりやすくなります。誤字脱字がある履歴書は、採用担当者に良くない印象を与えます。
パソコンで履歴書を作る時には、誤字脱字がないかを何度も確認してください。
できればデータを印刷した上で、誤字脱字はないか・内容にミスはないかをチェックすると良いでしょう。
書類郵送や持参の場合印刷が必要
パソコンで作成した履歴書はデータ化されていますが、履歴書を郵送または持参する際に印刷が必要になります。そのため、自宅で履歴書作成が完結出来ないこともあります。
自宅にプリンターがない方は、コンビニエンスストアの印刷サービスを活用するとよいでしょう。
人柄が伝わりづらい
パソコンで作成した文字からは手書きのような人柄が感じられません。そのため、手書きの履歴書と比較してアピール力が下がる可能性が考えられます。
特に手書きの文字に自信がある方は、パソコンよりも手書きで履歴書を書くとよいでしょう。
「手書き」で履歴書作成する際のポイント
手書きで履歴書を作成する際には、次のようなポイントを把握しておいてください。ポイントを知っていれば、手書きの履歴書をより好印象な仕上がりに変えられるでしょう。
ボールペンの色は黒で記載する
手書きの履歴書は、後から修正が出来ないボールペンで記載します。この際、黒色を選ぶようにしてください。その他の色は履歴書作成に適していません。
また、文字を擦ると消えるインクが使用されたボールペンは熱に弱く、自然に履歴書の文字が消えてしまう可能性があります。そのため、履歴書作成時には使用しない方がよいでしょう。
読みやすく丁寧に書く
手書きの文字は採用担当者が読みやすいように意識して丁寧に書いてください。熱意を伝えるために小さな文字をびっしりと詰めたり、枠からはみ出したりするような書き方は避けるべきです。
文字の大きさ、文字間を意識して読みやすい仕上がりを目指しましょう。
修正液や修正テープはNG
手書きの履歴書では、修正液や修正テープが使用出来ないため、書き損じをした時には初めから新しい履歴書を作り直してください。
書き直しを予防するためには、事前に鉛筆で下書きしてボールペンで清書した上で下書きを消すといいでしょう。応募先から指定の履歴書を1枚だけもらっている場合には、書き直しが出来ないために訂正印を活用します。
正式名称で書く
手書きの履歴書作成に限らず、履歴書では会社名や学校名を省略してはいけません。正式名称が分からない場合は事前に調べて、正しく情報を記載してください。
住所や年号表記も略さないように注意する必要があります。
書き直し用に多めに購入する
履歴書の手書きは、1枚で成功しない可能性が高いです。そのため、履歴書購入時には書き直し用も含めて多めに履歴書を用意しておいてください。
履歴書はコンビニや文房具店、書店などで購入出来ます。
関連記事:履歴書はどこで買うことができる?購入場所から書き方を紹介!
「パソコン」で履歴書作成する際のポイント
パソコンで履歴書を作成する際には、次のポイントを意識してください。
フォントは「明朝体」や「MSPゴシック」を選ぶ
パソコンの履歴書作成では自由にフォントを選択可能です。履歴書には奇抜な文字を使用せず、読みやすい「明朝体」または「MSPゴシック」を選んでください。
また、履歴書のみでなく応募書類では複数のフォントを使用せず、一つのフォントで統一します。
装飾はしない
履歴書に装飾は必要ありません。強調したい部分があっても太文字やアンダーラインは活用せずにシンプルな仕上がりにしてください。履歴書は公式なビジネス書類である点を忘れないでください。
印刷する場合は「履歴書印刷専用紙」を使う
履歴書の印刷は一般的なコピー用紙でも良いものの、履歴書印刷専用紙を活用するとより良い仕上がりの履歴書が完成します。
ただし、一部のプリンターでは専用紙の印刷が行えないため、事前に確認してください。
履歴書のサイズは企業からの指定がない限り、二つ折りでA4またはB5のどちらかを選択します。履歴書と他の応募書類も同時に提出する場合は、全ての用紙のサイズを統一します。
印刷後も確認する
パソコンで作成した履歴書は、ミスに気付きにくいものです。印刷後に再度、誤字脱字の最終チェックをして完璧な履歴書に仕上げてください。
「印刷してみると思っていたより文字が大きかった・小さ過ぎた」と感じることもあります。その場合、文字サイズを見直して再度履歴書を作り直しましょう。
自分に合ったフォーマットを使う
履歴書に使用するフォーマットはインターネットで手に入りますが、フォーマットごとに項目の内容やスペースが異なります。
自分がアピールしたい項目に多くのスペースが用意されたフォーマットを選択し、スムーズに履歴書作成が進められるようにしてください。
ファイル名を分かりやすくする
応募先に履歴書をデータで送る際には、データを開かなくても内容が推測可能なデータ名をつけましょう。それは、他の応募者の履歴書データと差別化するためです。
例えば「rirekisho」というデータ名よりも「rirekisho_oubotarou」のように自分の氏名もデータ名に加えておいてください。些細な心遣いが、採用担当者に与える印象を変えるのです。
まとめ
履歴書作成の手段には、手書きとパソコンがあります。一般的な企業ではどちらの作成方法を選択しても良いと考えられているものの、一部の採用担当者は手書きの履歴書に良い印象を持つようです。
そのため、「応募先の数が少ない」または「手書きの履歴書を好むことが予想可能な企業への応募」の場合には、手書きで履歴書を作ると良いでしょう。
この記事を参考に、自分に適した方法で履歴書を作成できるようにしてください。