大半の企業は、パートの応募に対して履歴書の提出を求めています。
パートの履歴書の志望動機は、正社員のものとは多少異なるため、何を書いたらよいか分からないと感じる方もいるでしょう。
今回の記事では、主婦がパートに応募する際に作成する履歴書の志望動機の書き方や、具体的な例文をまとめました。
【パートに応募する主婦向け】志望動機の書き方のポイント
志望動機欄は文字通り、求人に応募した理由・応募先で働きたいと考えている理由を書くためのスペースです。
正社員の応募への履歴書の場合は、応募先に興味を持ったきっかけや自分のスキルをアピールする場として活用されます。
それに対し、パートへの応募の場合は、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
①働きたい理由を明確にする
主婦がパートに応募する際の履歴書でも、正社員の履歴書と同じように、働きたい理由を明確にすることは重要なポイントです。
それは、明確な理由があることで、「採用後に長く働いてくれるだろう」という安心感につなげられるためです。
その理由は、一般的なもので構いません。
例えば、教育費や生活費を補てんしたい・社会とつながりを持ちたいなど、応募先には直接関係がない事情でもよいでしょう。
②希望の勤務条件を明記する
主婦業をしながらのパートでは、明確な勤務条件があるものです。
履歴書の志望動機では、自分の勤務条件も明らかにしてください。
勤務可能な時間帯・希望する収入の範囲・勤務が難しい曜日などが分かれば、応募先と勤務条件の問題で誤解が生まれる心配がありません。
特に、夫の扶養内で働きたいと考えている方は、その旨を明記しましょう。
③応募した仕事に活かせるスキル・経験を書く
応募する業務内容に活かせるスキル・経験があれば、アピールしましょう。
企業は、即戦力を優先して採用したいと考えているため、関係するスキル・経験があれば採用される確率が上がります。
特に人気の求人では、他の応募者との差別化を狙うためにも、自分の能力を明らかにするべきでしょう。
④主婦・主夫ならではの強みをアピールする
主婦や主夫としての経験は、パート先でも役立つため、自分の持っているスキルとしてアピールできます。
例えば、「効率よく家事をこなすための工夫」「子どもの怪我を予防する危機管理の方法」などが挙げられます。
また、小売店やサービス業への応募の場合には、自分が店舗を利用する際に目につくポイントなどを書くのも効果的です。
主婦・主夫の経験で得たスキルは、職場での経験と同じように活かせると考えてください。
⑤できるだけ余白を作らない
志望動機や自己PR欄は、可能な限り余白を少なくしてください。
それは、余白が目立つ履歴書は応募への熱意が低いという印象になる可能性があるためです。
この記事で紹介する例文などを活用して、200〜400文字程度の志望動機が書けるようにしましょう。
働きたい理由別:主婦のパート志望動機の例文
この章では、働きたい理由別に主婦のパートの志望動機の例文をまとめました。
主婦のパートでは、正社員への応募の場合は使うべきではない「通勤の便」「給与面」などの条件も応募の理由としてアピールできます。
例文1:通勤しやすいため
主婦は家事や育児の隙間時間を活用してパートをしたいと考えています。
そのため、通勤のしやすさは代表的な志望動機の一つです。
企業側も近隣の応募者に対して交通事情が通勤に影響を与える心配がなく、長く勤めてもらいやすいという印象を受けます。
【例文】
貴店までは自宅から徒歩5分程度で通えることから、通勤の負担がなく長く働きやすいと感じました。
また、通勤に時間がかからないため、急なシフト調整にも対応可能です。
例文2:時間が手できたため
子育てがひと段落し、自分の時間を使って働きたいと考える主婦の方も多いことでしょう。
時間ができたことを志望動機に記載する場合は、ブランクの期間に努力したこと・学んだことなどもアピールできるようにしましょう。
【例文】
子どもが小学校に入学して、午前中に自分の時間ができたため、働きたいと考えるようになりました。
また、私は子育て中の隙間時間を活用して英会話を学んでいたため、外国人の来客の多い貴店に応募させていただきました。
例文3:シフトの条件が合うため
小売店やサービス業のパートは、シフト勤務が多いです。
そのため、シフト条件が自分の希望に合うという点も志望動機として活用できます。
【例文】
子どもが幼稚園に通っている時間を活用して仕事をしたいと考えています。
貴店の朝9時から12時までのシフトであれば、無理なく仕事が続けられると感じ、応募させていただきました。
出勤の日数や曜日はご相談できればと思います。
例文4:時給が高いため
給与のよさで応募先を選んだ場合には、生活費や教育費を補てんする目的で働くという部分を強調します。
はっきりと「時給がよいから」と志望動機に書くと、読む相手に悪い印象を与える可能性があるため、注意しましょう。
特に、時給が高い求人は倍率も高くなる傾向があることから、他の応募者との差別化も意識しましょう。
【例文】
私ごとですが、住宅ローンの返済のために限られた時間でしっかり働ける貴社への応募を決めました。
また、私は出産前まで家電量販店で正社員として勤めており、貴社であればこれまでのスキルを活かせると考えています。
例文5:制度が充実しているため
中には、パートとしての雇用形態でも手厚い制度や待遇が用意されている企業もあります。
制度や待遇に魅力を感じて応募する際には、自分が得られるメリットのみでなく、自分がどう企業に貢献できるのかもアピールするとよいでしょう。
【例文】
求人を見て、貴店ではパートも社会保険の加入対象であると知りました。
加入を目指してスキルアップを続け、貴社に長く貢献できればと考えています。
例文6:過去の経験を活かしたいため
以前に働いていた職場での経験を活かしてパートをしたいと考えている方は、自分の経験を志望動機で分かりやすく説明しましょう。
企業は経験・スキルがある人材を即戦力として優先的に採用したいと考えています。
ただし、ブランクの間にルールや常識が変わっている可能性を考え、必要以上にスキルをアピールしすぎないようにしてください。
【例文】
私は出産前まで、食品メーカーにて営業事務を担当していました。
6年間主婦業に専念しておりましたが、子どもが幼稚園に入園して時間ができたため、応募いたしました。
これまでのスキルを活かした仕事がしたいと考えています。正社員の方々のサポート役として頑張りますので、よろしくお願いいたします。
例文7:仕事内容に興味があるため
仕事内容に興味があるという理由も、興味のきっかけを掘り下げて考えてみると、読む相手が納得できる志望動機になります。
興味につながる過去の経験があれば、同時に説明してください。
【例文】
以前からオーガニックに興味があり、自宅でもオーガニックの食品や衣類を積極的に生活に取り入れていました。
そのため、オーガニック食材のみを扱うことで、健康的かつ安心して食べられるメニューを提供する貴店の方針に惹かれ、応募させていただきました。
結婚前までは飲食店で正社員として勤めており、その経験も活かせると考えております。
職種別:主婦のパートの志望動機の例文
この章では、応募先の職種別にパートの志望動機の例文をまとめました。
応募する職種に合わせて、採用担当者の目に止まる志望動機が書けるようにしてください。
例文8:事務職
事務職のパートへの応募では、パソコン操作やコツコツとした作業に関するスキル・経験を書く必要があります。
それは、採用担当者が応募者のパソコンスキルとブランク期間について知りたいためです。
そのため、ブランク期間にスキルアップのために取り組んでいたことがあれば、記載しましょう。
一般事務
一般事務に未経験で応募する際には、パソコン操作に抵抗感がなことを明らかにすることがポイントです。
【未経験者の例文】
私は、育児をしながらオンラインのパソコンレッスンを受講して、ワードとエクセルの基本操作をマスターしました。
現在、小学校のPTA活動では広報誌の編集作業を任されています。
最初は不慣れな点もあると思いますが、貴社に貢献できるように努めていきたいと思います。
一方、事務職の経験がある方は、自身のスキルをアピールするのと同時に、謙虚な姿勢も表現しましょう。
【経験者の例文】
前職では食品メーカーにて5年間経理事務をしていました。
子どもが小学校に入学したため、また経理の仕事がしたいと思い貴社に応募させていただきました。
5年間の間に日商簿記2級を取得し、ブランクがハンデとならないように努めてきましたが、業務に関しては一から学ばせていただく姿勢で取り組みたいと考えています。
医療事務
医療事務は資格が必要な職業です。育児や介護のために退職し、ブランクの期間を活用して資格を取得する方もいます。
未経験で医療事務のパートに応募する際には、資格取得に至った経緯を説明できるとよいでしょう。
【未経験者の例文】
出産前まで営業職として勤めていましたが、育児を続ける中で医療業界に興味を持つようになり、子育ての傍ら医療事務の資格を取得しました。
医療事務の仕事は未経験ですが、営業で培ったスキルを活かしながら患者様に寄り添った対応をしたいと思っています。
経験者の場合は、自身の経験と仕事への熱意を伝えるようにしましょう。
【経験者の例文】
以前まで総合病院の医療事務として働いていましたが、母の介護のために退職しました
。また仕事ができる環境が整った時に貴社の求人を拝見し、応募させていただきました。
前職の経験を活かして患者様のサポートをしたいと思っています。
例文9:コールセンター
コールセンターのパートへの応募では、これまでの経験のみでなくコミュニケーションスキルもアピールします。
また、コールセンターによって独自の研修制度が設けられていることから、一から学ぶ姿勢も表現するとよいでしょう。
【未経験者の例文】
私は以前から人と話すことが好きで、コールセンターに興味がありました。
特に貴社のコールセンターでは、お客様の困り事をサポートできるという業務内容に魅力を感じています。
貴社の研修を受け、戦力になれるように精一杯頑張りたいと思います。
【経験者の例文】
夫の転勤を理由に前職のコールセンターを退職しましたが、これからもコールセンターの仕事を続けたいと思っていました。
新しい生活にも慣れた時に貴社の求人を拝見し、無理なく続けられる勤務時間だと感じて応募いたしました。
電話応対の基礎知識はありますが、業務に関して一から学ぶ姿勢で働きたいと考えています。
例文10:小売業
スーパーやコンビニなどの小売業では、過去の職歴に関係なく、これまでの経験がアピールしやすいというポイントがあります。
小売店は体力が求められる求人が多いため、健康である点も伝えられるとよいでしょう。
コンビニ
大半のコンビニは24時間営業であるため、自分が勤務を希望するシフトや曜日を志望動機で明らかにしましょう。
過去に接客業の経験がある方は、その点をアピールしてください。
【未経験者の例文】
自宅から徒歩5分で通勤可能なため、安心して仕事ができると思い、応募させていただきました。
勤務時間は8時〜13時または13時〜17時のシフトを希望します。平日は何曜日でも出勤可能ですが、土日の出勤は相談させてください。
私は出産前まで飲食店で正社員をしており、接客の基本的なスキルがあります。
コンビニでの勤務は初めてであるため、早く業務を覚えて戦力になりたいと思います。
【経験者の例文】
私は以前に、他社のコンビニで3年間パートをしていました。
その際には、普段の業務の他に新人教育も任せられましたが、主人の転勤を理由に退職しました。
新しい土地での生活にも慣れ、またコンビニで仕事をしたいと考えた時に貴店の求人を拝見しました。
勤務時間は、午前午後のどちらも対応可能ですので、よろしくお願いいたします。
スーパー
スーパーのパートへの応募では、自分が勤務可能な時間帯などを伝えながら体力的に問題がない点も強調できるとよいでしょう。
スーパーでの業務は多くの場合、レジのみでなく品出しなど力仕事が含まれます。
【未経験者の例文】
以前から貴店を利用しており、パートの方々が活き活きと働くお店だと感じていました。
子どもが小学校に入学し、パートを始めようと思った時に、最初に働きたいと思ったのが貴店です。
土日の勤務は難しいのですが、平日の午前中はどの曜日も出勤可能です。また、私は体を動かすことが好きで、体力には自信があります。
【経験者の例文】
私は前職で正社員としてスーパーに勤めており、パートの方をマネジメントする立場にいました。
介護を理由に退職しましたが、お客様に快適に買い物をしていただける環境づくりができるスーパーの仕事に戻りたいと考え、貴店の求人に応募しました。
夜間の勤務は難しいのですが、17時までであれば土日も含めて出勤可能です。
ドラッグストア
ドラッグストアのパートへの応募では、コンビニやスーパーと同じように接客スキルや店舗に好感的な印象を持っている点を伝えましょう。
また、高齢の方や体調を崩している方の来客が多いため、お客様に寄り添う姿勢をアピールすることも大切です。
【未経験者の例文】
貴店には何度も祖母がお世話になっており、丁寧で親切な接客に親しみを感じていました。
今回子育てがひと段落してパートをする時間ができ、自分も貴店でお客様をサポートする仕事がしたいと思い応募させていただきました。
特に年配の方の来客が多い店舗であると感じるため、お客様に寄り添った接客を心掛けたいです。
シフトは平日の17時まで勤務可能です。
【経験者の例文】
以前ドラッグストアでの勤務経験が3年ほどあり、お客様に寄り添った接客を心掛けていました。
子育てのために仕事から離れましたが、子どもが小学校に入学したため、これまでの経験を活かした働き方がしたいと考えています。
貴店は日常的に使用させていただいており、丁寧な接客をしているお店だと感じていたことから、応募を決めました。
例文11:飲食店
飲食店の仕事は、キッチンとホールで2つに分類されます。
仕事内容が大きく異なるため、求人に応募する際には希望する業務を明確にしてください。
ホール勤務の場合はコミュニケーション能力、キッチン勤務の場合は調理スキルをアピールしましょう。
カフェ
カフェのスタッフはお店に愛着を持っている方が多いです。
そのため、未経験者・経験者に限らず、なぜ応募先を選んだのかの説明があるとよいでしょう。
【未経験者の例文】
私はカフェで過ごす時間が好きで、カフェ巡りを趣味にしています。
貴店は自分が行ったカフェの中でも心地よさ・スタッフの気配り・雰囲気やメニューまで自分好みであり、頻繁に通わせてもらっていました。
求人を拝見した時に、自分もこの空間をつくる側になりたいと思い、応募いたしました。
【経験者の例文】
3年まで大手チェーンのカフェにてドリンクを担当していました。
自分が作ったメニューでお客様が快適な時間を過ごせると思い、充実感を得ながら働いていたことを覚えています。
子どもの就学により仕事ができる時間ができた時に、またカフェの仕事がしたいと考え応募させていただきました。
ホールスタッフ
ホールスタッフへの応募では、これまでの経験やコミュニケーションスキルをアピールしてください。
【未経験者の例文】
食事は美味しさのみでなく、楽しく食べられる環境も重要だと考えています。
そのため、ホールスタッフとしてお客様が快適に過ごせる環境を整え、お客様が食事をより美味しく感じられるような接客ができるようになりたいです。
飲食店での勤務経験はありませんが、出産前までは小売店で販売の仕事をしていました。
その経験も活かしながら、お客様の要望に応えられるスタッフを目指します。
【経験者の例文】
学生時代にファミリーレストランでホールを担当した経験が3年あります。
その後接客の仕事からは離れましたが、自分には接客の仕事が一番合っていたと感じ、パートをしようと決めた時にレストランでの勤務を希望しました。
ブランクがありますが、過去のスキルを活かしながら積極的に学び、貴店の戦力になりたいと思います。
調理スタッフ
調理スタッフへの応募では、過去の経験や自分の調理スキルをアピールしましょう。
【未経験者の例文】
調理が好きで自宅でもさまざまなジャンルのレシピに挑戦し、最近ではオリジナルレシピを作ることも楽しんでいます。
以前から貴店のメニューは独創的で他にはないと感じていました。
貴店の求人を拝見した時に、このお店で調理の腕を磨きたいと感じ応募を決めました。学ぶべきことは多いと思いますが、日々精進させていただきたいです。
【経験者の例文】
3年まで大手チェーンのレストランにてキッチンを担当していました。
自分が調理した食事がお客様に喜ばれるたび、やりがいを感じていたことを覚えています。
介護を理由に退職しましたが、その間も調理の腕を磨いてきました。貴社の求人を拝見し、個人の能力を伸ばす方針に魅力を感じ、応募させていただきました。
例文12:軽作業
軽作業のパートでは、コツコツとした作業を進められる能力が求められます。
特別に求められるスキルはない場合が多いため、自分の集中力を含む適性をアピールするとよいでしょう。
【例文】
私はコツコツと細かい作業をすることが好きで、これまで育児中も内職でラベル貼りをしていました。
集中力に自信があり、自分が担当した作業が完璧に時間内に完了することに達成感を得ています。
貴社の求人を拝見し、自分に適した仕事だと感じました。
土日祝日以外であれば、日中何曜日でも勤務可能です。
例文13:介護職
介護職ではこれまでの経験や資格が重要視されます。
未経験の方は、資格取得に至った経緯や介護職を選択する理由を説明しましょう。
【未経験者の例文】
祖母が介護施設にお世話になった時に職員の方の心温まる対応に救われ、介護職を目指したいと考えました。
介護を続ける中で介護の資格を通信講座で取得し、貴社の求人に応募しました。
学ぶべきことはたくさんありますが、多くの利用者やその家族をサポートできる職員になりたいと考えています。
経験者の方は、自身のキャリアと仕事に対する熱意をアピールしましょう。
【経験者の例文】
出産前まで介護の実務に5年間携わってきました。
私は介護の仕事の重要さ・素晴らしさを理解しており、子育てがひと段落したら、再度介護の仕事をしようと決めていました。
子どもが進学して日中に仕事をする時間ができたため、これまでの知識と経験を活かしながら利用者様をサポートしたいと思っています。
まとめ
パートとして履歴書を応募先に提出する際には、志望の理由や応募する職種に合わせて適切な志望動機を考える必要があります。
また、勤務を希望する時間帯や曜日も志望動機欄で伝えられるとよいでしょう。
この記事で紹介した例文を参考にして、最適な志望動機を考えてみてください。