履歴書を手書きする作業には多くの時間がかかります。さらに、どんなに気をつけていても書き損じによる書き直しが発生する可能性が大いにあるでしょう。
特に転職活動では現在の仕事をしながら応募書類の作成を進めなければいけないことが多く、複数の応募先に向けて何枚も履歴書を作成する時間が用意出来ない方もいるようです。
今回の記事では、履歴書の手書き作業を面倒臭いと感じている方に向けて、履歴書をスマホやパソコンで作成することについてまとめました。
これから転職活動をしようと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
履歴書の手書きがめんどくさい理由
転職活動に履歴書は欠かせない書類であり、大半の企業では応募者に履歴書の提出を求めます。履歴書は選考に活用されるのみでなく、採用後も従業員基本データの一つとして管理されます。
このように履歴書は重要な役割を持つ文書であるものの、手書きでの作成は非効率だと考えても良いでしょう。履歴書の手書きが面倒だと感じる理由には、次のような点があります。
書類作成に時間がかかる
スマホやパソコンでの文字入力・文書作成が一般的になった今では、履歴書ほどのボリュームがある文書を全て手書きで行う機会は限られています。
履歴書を手書きする作業は、履歴書の内容を考える作業とは別に時間を用意しなければいけません。応募先が多く何枚も履歴書を手書きするには、長い時間がかかってしまうでしょう。
さらに履歴書は書類選考に活用されるため、細心の注意を払って丁寧に記載しなければいけません。履歴書の手書きには、時間のみでなく高い集中力も必要だということです。
ただし手書きの履歴書にもメリットは存在します。採用担当者の多くは手書きの履歴書が一般的だった時代を生きてきた年齢層です。
スマホやパソコンの履歴書が主流になりつつある現代で、あえて手書きの履歴書を提出することは他の応募者との差別化効果が得られる可能性があるでしょう。特に自分の文字に自信がある方は、多少の時間をかけてでも手書きの履歴書にこだわるべきです。
また、手書きの履歴書は文字の綺麗さのみでなく「丁寧さ」が重要視される傾向があります。自分の手書きの文字が特段美しいわけではなくても、手書きで履歴書を作成したいと考えているのなら、丁寧な文字を心掛けて履歴書を書いてみてください。
書き直しで手間がかかる
履歴書は公式な文書として後から記載内容を改ざん出来ないように、ボールペンや万年筆を活用しなければいけません。書き間違えた時には修正液の使用を避けるべきであり、履歴書をほとんど書き終えている状況でも一から書き直さなくてはいけないのです。
また、現在流通している摩擦熱によって消えるボールペンで履歴書は記載出来ません。改ざん可能なもので履歴書を書いてはいけないのです。
履歴書への修正液や摩擦熱で消えるボールペンの使用は、社会人としてのマナーを疑われてしまう可能性があります。
ただし、普段使用しているスマホやパソコンで作成した文書は何度もやり直しが出来るため、手書き作業の「やり直しが効かない」状態を非効率だと感じる方が多いでしょう。
スマホやパソコンを自由に活用出来る時代に生活している私たちが、履歴書の手書きを面倒だと感じるのは仕方がないことだと言えます。
履歴書作成は「手書き」と「スマホ・パソコン」どちらがいい?
採用の最前線に立つ採用担当者は、履歴書の作成手段は手書き/スマホ・パソコンのどちらでも構わないと考えている方が多いようです。
新卒採用の場合は人柄や素養を知るために手書きの履歴書が好まれる傾向がありますが、中途採用では履歴書の作成手段よりもこれまでの経験や能力の方が重要視されるのです。手書きかどうかが採用結果を左右することは滅多にないと言えるでしょう。
ただし、応募先で履歴書の作成方法に指定がある時には、その指示に従ってください。企業の中には応募者のパソコンスキルを確認する目的で、履歴書をスマホやパソコンで作成するようにと指定する場合もあります。
自分で履歴書の作成方法を決めることに不安がある方は、直接応募先に履歴書の作成について確認しても良いでしょう。「御社が推奨する履歴書のフォーマットや作成方法はありますか?」などと問い合わせをすれば、担当者から最適な返答をもらえます。
履歴書は「志望動機」が重要
転職活動における最初の関門である書類選考を担当している採用担当者は、履歴書の中でも「志望の動機、自己PR」に記載された内容を重要視しています。
初めての転職活動をするという方であれば、志望動機に何を書いたら良いか悩んでしまうものです。
しかし大半の場合は、求人票(募集要項)に記載された「求める人物像」を確認すれば、記載するべき志望動機が分かるようになっているのです。
・計画性があり自律的に業務を推進出来る方
・協調性があり周囲の協力を仰げる方
・粘り強く目標達成に意欲的な方
企業は採用活動で求める人物像に適した人材を手に入れたいと考えています。履歴書の「志望の動機、自己PR」には、応募企業の人材要件と自分自身のアピールしたいポイントを擦り合わせた文章が書けるようにしてください。
志望動機の内容から採用担当者に「企業が求める人物像に近い」という印象を抱かせることが出来れば、書類選考を通過する可能性が高くなるでしょう。
また、志望動機に「応募先で自分が働きたいという意気込みだけを書く」行為は避けなければいけません。採用担当者は意気込みではなく応募者が自社が求める人材であるかを知りたいと考えています。
志望動機欄を活用して、いかに自分をアピール出来るかどうかが書類選考の結果を左右すると考えてください。
企業分析と同時に自己分析も実施して自分のアピールポイントを十分理解すれば、より優れた志望動機を作成可能です。
履歴書をスマホやパソコンで作成するときの注意点
スマホやパソコンを用いて履歴書を作成する際、いくつか注意すべき点があります。
スマホやパソコンは修正が容易であるというメリットがある反面「いつでも修正出来る」「たぶんこれで合っているはず」というように、手書きの文書作成と比較して確認作業を怠りやすいという特徴があります。
以下のような注意点を理解して、誤りのない優れた履歴書が作れるようにしてください。スマホやパソコンを活用するからこそ、十分な注意が必要なのです。
修正し忘れに気を付ける
スマホやパソコンを用いて履歴書作成をした際に起こり得る致命的なミスの一つが、「修正し忘れ」です。
履歴書に記載すべき事項のうち、志望動機欄以外の内容はどのような企業向けにも共通しており、スマホやパソコンで作成した履歴書を簡単に何度も使い回し出来ます。
作成後の履歴書の使い回しにより、他社向けの内容のままで活用してしまう・宛先を間違えてしまうなどの問題が起こるリスクがあります。
転職活動での複数企業へのアプローチは一般的な取り組みであるものの、誤った応募書類を応募先に送ることは自分の印象を悪くすると言えるでしょう。
また、誤記入がある書類・誤った書類を送るという行為は「注意力が足りない」「ニアミスが多い」応募者として、自分の評価を悪くします。
注意力不足は基本的な能力であり改善が難しいため、そのような社員を雇うことで企業が何らかの損失を被る可能性があると考えられてしまうのです。
例えば、社員が送信先を間違えて機密情報を送信してしまう・発注個数を間違えてしまうなどのミスをすれば、企業は大きな損失を被るでしょう。
応募書類は複数回内容を確認し、可能であれば画面上のみでなく印刷してチェックを入れてください。誤字脱字の有無はデバイスの画面上では見つけにくいのです。
フォントを統一する
複数のフォントが存在する文書は読みにくく、全体的なデザインも悪くなります。
スマホやパソコンを利用して履歴書を作成する際は、特別な指定がない限り使用するフォントを統一するように心掛けましょう。
Windows OSを利用している方であれば、「明朝体・ゴシック体・游明朝体」あたりが標準で設定されているフォントです。
多くの企業でも同様にこれらのフォントが使用されていることが多いため、標準的なフォントで統一すると良いでしょう。
フォントの統一は些細な取り組みですが、履歴書に限らず日常的に作成する文書でも実施するべきです。指示がなくても出来る基本的な取り組みとして意識しておいてください。
不要な装飾やカスタマイズをしない
フォントの色変更・フォントを太字にする・下線部をつけるなどの文字装飾やカスタマイズは、履歴書作成には不要です。
履歴書は公式文書として企業内で取り扱われることから、不要な装飾をするべきではありません。
他の応募者との差別化を図りたいのであれば、装飾ではなく内容で勝負出来るようにしてください。読みやすさを意識したいという方も、履歴書の装飾は避けましょう。
まとめ
応募先から指定がなければ、履歴書は必ず手書きで作らなければいけないわけではありません。履歴書は記載するべき内容が多く、手書きで作成するには長い時間が必要になることからめんどくさく感じるかと思います。そのため、スマホやパソコンで作成すると良いでしょう。
ただし、修正漏れや誤記入がないか十分確認した上で応募を進めてください。スマホやパソコンで作成する文書は手書きの文書よりも簡単に修正可能なことから、注意力が散漫になる恐れがあるのです。
作成済みの履歴書は印刷した上で複数回内容を確認します。手書き・スマホやパソコンの活用のどの作成方法でも、優れた履歴書が作れるようになれば転職活動をスムーズに進められるでしょう。
現段階で転職活動が上手く進まないと感じているのなら、自分の履歴書を見直してみてください。