履歴書を書いたり、転職サービスや企業が用意しているweb上の応募フォームを入力したりするにあたって、一番頭を悩ませるのはフリー入力欄ではないでしょうか。
今回は、履歴書やweb応募フォームにある3つのフリー入力欄「職務内容」「自己PR」「志望動機」について、書き方のポイントを解説していきます。
応募先の企業にきちんとアピールできているか自信のない方は、ぜひチェックしてみてください。
職務内容の書き方のポイント
web履歴書の職務内容欄には、どのくらいの期間、どのような仕事を担当していたのかを記載します。ただ過去の職歴を記載すればいいわけではなく、自分が何が出来る人間であるかを応募先企業にアピールすることが重要です。
2社以上の勤務経験がある方は直近の勤め先から順番に説明をしていきましょう。
自分のこれまでの実績を客観的かつ具体的に表現する
職務内容の説明とともに自分の具体的な実績を明らかにします。
この際「営業成績はトップクラス」「売上に貢献」のような抽象的な言い回しは避け、「300人の営業担当の中で12ヶ月連続TOP10位以内」「自分の提案により店舗の売上を前年度比〇〇円向上」のような誰が読んでも実績が伝わりやすい内容にしてください。
このように数字で実績を表すのが難しい場合は、「月に〇件の問い合わせに対応」「△△プロジェクトチーム(〇人が参加、〇円規模)にて△△の業務を担当」など、なるべく数字を使って表現できないか考えてみるといいでしょう。
また、結果だけを記載するのではなく、どのようなプロセスが結果につながったのかも説明すれば、他社でも同じような結果が出せると期待してもらえるでしょう。
箇条書きやカッコを使って読みやすく仕上げる
業務内容は複数の内容を記載することが多いため、文章で書くと読みにくい仕上がりになってしまいます。そのため、箇条書きやカッコなどを使用し、読みやすさを意識した書き方をしましょう。
具体的には、下記のような表記方法が読む相手に伝わりやすいです。
【担当顧客数】約50社
【売上実績】
・2020年度年間総売上〇〇 平均予算達成率〇〇
・2021年度年間総売上〇〇 平均予算達成率〇〇
文字数制限が設けられている場合には自分が担当した業務全てを記載しようとせず、応募先で活かせる業務を優先して入力するようにしてください。
社内用語・業界用語は使用しない
同じ業界や企業に長く勤めていると、社内用語や業界用語を日常的に使うことに慣れてしまいますが、履歴書では誰が読んでも分かる言葉を使うようにしてください。
特に略語に注意し、自分が普段使っている言葉が一般的な言葉かどうかを調べておきましょう。
自己PR欄の書き方のポイント
web履歴書の自己PR欄では、自分の強みを採用担当者にアピールしなくてはいけません。そのため「特になし」のような消極的な記載は避けてください。
まず求人内容や企業のホームページを読み込み、企業が求めている人材を把握した上で、自分には期待に応えられる能力があることを伝えましょう。
特に転職の場合は「今まで何をやってきたか」「自分に何が出来るか」「応募先に今後どう貢献していきたいか」の3点を記載すると良いです。謙虚になり過ぎず、これまでの実績を明らかにしてください。
たくさんの実績・強みを記載するのではなく一つの内容に絞る
自己PRでアピール出来る実績や強みが複数あるのは良いことですが、自己PR欄はスペースが限られており、いくつもの内容を記載できないこともあるでしょう。
内容を詰め込み過ぎて分かりにくい文章にならないためには、複数ではなく一つの実績・強みについて深く掘り下げた方が良いでしょう。
自己PR欄に書ききれなかった内容は面接の場で伝えるようにしてください。
応募企業で活かせる実績・強みをアピールする
自分がどんなに素晴らしい実績・強みを持っていても、応募企業で活かせない内容では採用につながりにくくなってしまいます。
求人内容を把握し、企業が求めている人物像を想定した上で、何を記載するべきかを考えましょう。
異業種への転職であっても、今の職場での実績や自分の強みが新しい仕事でも役立てるアピール方法を見つけます。
文字数は300文字〜400文字程度に収める
自己PR欄の文字数が少な過ぎると採用担当者に「応募への熱意が低い」「消極的」と感じられる可能性がありますし、文字数が多過ぎると読みにくくなってしまいます。
自己PR欄の大きさにもよりますが、一般的な文字数の目安は300〜400文字程度であると覚えておきましょう。
志望動機の書き方のポイント
web履歴書の志望動機の欄では「なぜ企業に応募をしたのか」「なぜ応募先で働きたいのか」を採用担当者に伝える必要があります。
採用担当者の心に響く志望動機が作成出来れば、採用後の仕事への姿勢も見えやすくなるのです。
また、志望動機は他の応募者と同じような文章になりやすい部分です。オリジナリティのある文章が作成出来るようにしてください。
自分が魅力に感じているところと転職理由を結びつける
志望動機には応募先の魅力的な点として商品・サービス・企業理念・社風などを伝える方が多いですが、応募先の魅力と自分の転職理由を結びつけることで、他の応募者の志望動機と重複しにくくなります。
例えば「風通しの良い社風」に魅力を感じている場合、その理由を「今の会社では前例主義で改善点を提案しても取り入れてくれない」など過去の経験も含めて記載できるといいでしょう。
オリジナリティ溢れる志望動機が作成出来れば、「熱意を感じる志望動機」として採用担当者に良い印象を受けてもらえるでしょう。
自分のスキルや実績も併せて記載する
当たり前のことですが、採用担当者は自社に貢献してくれる人を採用したいと考えています。そのため、志望動機では自分のスキルや実績も併せて記載し「自分は応募先で活躍出来る人材」だとアピールしましょう。
前職での実績や培ったスキルを具体的に記載し、それらが応募先の企業でも生かせるということを明らかにします。具体的には「前職での〇〇の経験が、貴社の○○業務に生かせると考えています」「〇〇というスキルで貴社の○○事業に貢献していきたいと考えています」などと記載するといいでしょう。
自己PRで記載した内容と別のものにすれば、より多くの点を履歴書でアピール出来ることにもなります。
職務経歴書の有無によってボリュームを変える
転職活動での応募には、履歴書のみの提出を求める企業と職務経歴書の提出も必要な企業があります。
職務経歴書に志望動機を記載する場合には、職務経歴書の方が多くのスペースを使って志望動機が記載出来るため、履歴書の志望動機欄は簡潔に記入すれば良いでしょう。
web履歴書(web応募フォーム)入力時の注意点
最後に、web履歴書を入力する際の注意点をまとめました。
紙の履歴書にはない注意点もあるため、履歴書作成に慣れている方でも確認しておいた方が良いでしょう。
フリー入力欄を空欄にしない
フリー入力欄が空欄になっていると、読む相手に「記入漏れかもしれない」「注意力が不足している」と感じられてしまいます。
紙の履歴書にも同じことが言えますが、フリー入力欄は必ず全て埋めるようにしてください。
どうしても入力する事柄がない欄には「特になし」と記載します。それだけで、読み相手に「空欄が入力漏れではない」と伝えられるでしょう。
変換ミス・誤字脱字に注意する
web履歴書では文字を手で書かないために、変換ミス・入力ミスや誤字・脱字が紙の履歴書よりも多くなる傾向があります。
これらのミスは採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。web履歴書は送信前に必ず、内容に誤りがないかをよくチェックしてください。
可能であれば、一度紙に印刷すると、より細かく内容をチェックが出来ます。
保存忘れ
web履歴書ならではの注意点として、保存がされないままページを閉じてしまい、入力内容が失われるトラブルが発生しやすいです。
web応募フォームの場合、サイトによっては一定の時間が経過するとタイムアウトし、入力が継続出来なくなる場合もあるでしょう。
丁寧に内容を入力しても再度作り直しになってしまうため、メモ帳やWordに入力する内容をコピーしておいたり、web履歴書をこまめに保存したりするなどの工夫をするといいでしょう。
読みやすさを重視した書き方をする
履歴書は紙であっても、web上であっても、採用担当者に短時間で分かりやすく自分の情報を理解してもらうために作成します。
そのため、履歴書に文章をぎっしり入力するのではなく、箇条書きや改行を効果的に使って、読みやすい仕上がりを意識してください。
読みやすい履歴書が作成出来る人材は、書類作成能力が高いと評価されるでしょう。
特に情報がデータ化されていく今では「分かりやすい書類が作成出来る能力がある人材」は多くの企業に求められています。
証明写真も必ず添付する
証明写真を添付する欄があれば、勝手に省略せず必ず添付するようにしてください。
WordやExcelの履歴書をメールで企業に送付する場合、またはweb応募フォーム上に写真を添付する欄がある場合、両方とも「写真は不要」という指示がない限り、必ず写真を用意します。
勝手な判断で写真を添付しなければ、採用担当者からの信頼は得られないでしょう。
(証明写真を用意する方法は、こちらで詳しく解説しています「スマホでもできる!web履歴書の写真を用意する方法|写真データの貼り方も解説」)
まとめ
フリー入力欄を書くことに苦手意識を持つ方も多いと思いますが、ポイントを押さえれば難しくはありません。
採用担当者にアピールできるチャンスだと思って、自分の思いや実績をきちんと伝えられるように準備しましょう。
本記事でご紹介したポイントを参考に、相手にとって読みやすいかどうかという観点も忘れずに、自信を持って選考に臨みましょう。