会社に出勤せず、自宅などで勤務する新しい働き方が定着し、多くの企業は面接にweb面接を導入しています。しかしweb面接の歴史が浅いことから、web面接時の注意点やマナーが分からないという方もいるでしょう。
今回の記事では、面接官に良い印象を持ってもらうために、知っておくべきweb面接のマナーをまとめました。これからweb面接に挑むのであれば、ぜひ参考にしてください。
事前準備のマナー
対面面接でも面接の練習などの事前準備が必要ですが、web面接ではより多くの事前準備をしておかなくてはいけません。準備が不足すると、web面接中に問題が起こり、面接官に準備不足という印象を持たれる可能性があるでしょう。
1 通信環境の確認
web面接は自宅で受ける方が多いと思いますが、自宅の通信環境が良好であるかを確認しなければいけません。インターネットが不安定で、音声や映像が乱れるような状態では、web面接が進められなくなってしまうでしょう。
自宅の通信環境が弱い場合は、通信環境の見直しや他の場所を探す必要があります。
2 web面接を受ける場所や背景の用意
web面接はどこでも受けることが出来ますが、背景にする景色には気を使うべきです。白い壁が理想の背景であり、散らかった部屋やポスターはもちろん、可能であれば家具も映り込まないほうが良いでしょう。
また、照明が不足している場所や逆光の場所では顔が影で隠れ、暗い印象を持たれる可能性が考えられます。必要なら、別途照明を用意してください。
「web面接の場所と背景|自宅以外で受ける場合・白い壁がない場合も解説」
3 web面接を受ける時のパソコンの固定位置を決める
web面接を受けるパソコンやスマホが自分の目線よりも下に位置してしまうと、面接官を見下ろす角度の目線になり、威圧的な雰囲気になってしまう可能性があります。
自分の目線とカメラが同じ高さになるように調整し、しっかり固定しましょう。
4 使用ツールの確認
web面接で使用するツールは事前に企業から周知されるでしょう。web面接の直前にツールをインストールするのではなく、使用ツールが分かった段階でツールの動作確認を行い、使い方を事前に覚えてください。
5 カメラ・イヤホン・マイクの準備と確認
外付けカメラ・イヤホン・マイクを使う方は、事前準備と動作確認をしておきます。イヤホンとマイクはweb面接に必ず必要なものではありませんが、活用するとクリアに相手の声が聞き取れ、雑音が混じりにくくなるでしょう。
ただし、派手な装飾のあるイヤホンやマイクの使用は避けてください。
「web面接でイヤホンを使ってもいいのか?イヤホンの選び方と使用時の注意点を解説」
6 必要な場合はカンペの準備
web面接ではカンペを用意出来ます。置き場所によっては目線に違和感が出てしまうため、カメラ付近にカンペを貼ると良いでしょう。
カンペには具体的な回答内容や「姿勢を正す・笑顔で」など気をつけたい面接態度を書いておくという使い道があります。あまり長文を記載すると棒読みになってしまうので、パッと読める程度の文章量にしてください。
「web面接でカンペを上手に使うには|バレずに使う位置と書き方を解説」
7 企業からの指示があれば期日までの履歴書・職務経歴書送付
企業から指示がある場合には、その期日までに履歴書と職務経歴書を用意し、企業に送付しておきます。送付漏れのないように注意してください。
当日準備のマナー
web面接当日には、次のような注意点とマナーを守りましょう。
1 服装・髪型・メイクを整える
web面接も対面の面接と同じように、しっかりと身だしなみを整えます。清潔感のある手入れの行き届いたスーツにシンプルなネクタイを合わせ、髪の毛は華美な印象にならないようにしましょう。
化粧をする場合は、対面の面接よりも少しメイクを工夫して、画面越しで健康的な印象の仕上がりに出来ると良いです。
何らかのトラブルで全身が映り込んでしまう可能性を考え、web面接だからと言って上半身だけスーツを着るようなことは避けてください。
「web面接の服装・髪型・メイク・マスクの注意点を解説|よくある疑問も解決」
2 音が鳴る通知を全てオフにする
パソコンでweb面接を受ける場合はスマホの電源をオフにすれば良いですが、パソコンに何らかの音が出る通知設定があるのなら、全て解除してください。面接中に通知音が鳴るのは、マナー違反だと言えるでしょう。
3 web面接で使用するデバイスは充電しておく
web面接中にパソコンやスマホの充電が切れてしまうと、web面接が中断してしまいます。web面接で使用するデバイスは事前に充電し、可能であれば充電しながら面接が受けられると良いでしょう。
入室時のマナー
web面接は開始時間の5分前位に入室しておき、面接官の入室を待ってください。面接官入室時の挨拶に正式な決まりはありませんが、面接時間に合わせて「おはようございます」「こんにちは」のような挨拶をすると良いでしょう。
また「〇〇と申します。よろしくお願いいたします。」「〇〇と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。」のように、自分から名乗る挨拶をするのもおすすめです。
web面接では基本的なお辞儀をする必要はないものの、お辞儀をしてはいけないというわけではありません。ただし、対面の面接のように立ってお辞儀をすると、画面から顔が見えなくなってしまうので、座った状態でお辞儀をする方が自然です。
面接中のマナー
web面接中のマナーとして知っておくべき注意点は次の通りです。
1 はっきりと伝わりやすい話し方をする
web面接では対面の面接よりも声が聞き取りにくくなります。そのため、なるべく普段よりもハキハキと伝わりやすい話し方をしてください。
動画を撮影して、自分の話し方を確認しておくこともおすすめします。
2 カメラを見て話すように意識する
面接官の顔が映っているパソコンの画面を見てしまうと、自分は相手を見て話をしているつもりでも、面接官から見ると面接官と目線が合っていないことになります。
相手の表情も確認する必要はありますが、基本的にはカメラを見ながら話を進めるべきでしょう。
「【web面接】目線はカメラ?目線が合わない原因と違和感のない目線にする方法」
3 web面接中のメモは控える
面接の時間は限られていることから、基本的にはメモは取らずに面接官との会話に集中した方が良いです。面接中にメモを取ると、面接官を待たせる時間が出来てしまうのです。
どうしてもメモしたい内容があれば「メモを取ってもよろしいでしょうか?」と面接官から許可を得てください。また、メモを取りながら話を進めてはいけません。
4 トラブル発生時は慌てない
web面接では、しっかりとした準備をしても、インターネットやデバイスの問題でトラブルが発生する可能性があります。このようなトラブル発生時に冷静な対応が出来るかどうかが面接の結果につながると考えてください。
面接官と連絡が取れる電話番号やメールアドレスを把握しておき、突然web面接が中断してしまった時にも落ち着いて状況の説明が出来るようにしましょう。
退室時のマナー
web面接が終了して退室する際には、相手が退出するのを待ってから自分も退出しましょう。相手が自分の退出を待っているようであれば「それでは失礼させていただきます」などの一言を添えた後に退出してください。
web面接のマナーに関して、よくある疑問
web面接での面接のマナーに関して多くの人が感じる疑問点をまとめました。
疑問1 web面接後のお礼メールは必要?
web面接後のお礼メールは採用に影響を及ぼさない可能性が高いですが、面接官にお礼を伝えたいという気持ちがあるのなら、お礼メールを送ると良いでしょう。
面接官のメールアドレスが分からない場合は仕方がありませんが、基本的にはチャットよりもメールでお礼を伝えた方が丁寧な印象になります。
疑問2 スマホやタブレットでweb面接を受けても良い?
パソコンでなくスマホやタブレットを使ってweb面接を受けるのはマナー違反ではありません。使用デバイスで合否に違いが出ることはないでしょう。
ただし、カメラやマイクのクオリティは面接官に与える印象を左右するため、性能を重視してデバイスを選択してください。
「【web面接をスマホで受ける】確認必須のチェックポイント」
疑問3 ゲーミングチェアでweb面接を受けるのは失礼?
ゲーミングチェアでの面接参加は職種によっては避けた方が良いでしょう。しかしIT企業などクリエイティブな職種の面接であれば、デスクワークに適した椅子であるゲーミングチェアが悪い印象とは言えません。
まとめ
web面接で守るべきマナーと注意点を、事前準備・面接当日・入室時・退室時のタイミングごとに説明しました。
web面接はしっかりとした準備なしに成功出来るものではありません。万全の準備を行い、自信を持ってweb面接に挑めるようにしてください。